セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年目迄) |
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タイトル | Y7-7:眼窩転移をきたした膵癌の1例 |
演者 | 丸尾 正幸(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 小野 洋嗣(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 孫 永基(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 板井 良輔(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 木村 佳人(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 池田 英司(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 高田 真理子(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 三上 栄(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 住友 靖彦(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科), 山下 幸政(神戸市立医療センター西市民病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は68歳、男性。食思不振と体重減少を主訴に平成24年5月に当科外来を受診した。腹部CTで膵鉤部に早期相で淡くlow densityを示す境界不明瞭な約3cmの腫瘤と大動脈、腹腔動脈周囲に多発するリンパ節腫大を認めた。腹部MRIでは膵鉤部にT1,T2強調像で低信号を示す腫瘤を認め、拡散強調像反転でlow intensityを示し、ADCの低下を認めた。入院後に施行した上部消化管内視鏡では胃体上部大彎に、中心に潰瘍を伴った粘膜下腫瘤様の隆起性病変を認め、生検からpoorly-differentiated Adenocarcinomaを認めた。内視鏡的逆行性胆管膵管造影では膵管の狭窄を認め、細胞診でclass5のAdenocarcinomaを認めた。また5月より複視、左眼の上転障害を認めたため、頭部MRI、PET-CTを施行した。頭部MRIでは左上直筋にT1強調像で低信号、T2強調像で比較的高信号を示す約1.7cmの腫瘤を認め、拡散強調像反転でlow intensityを示し、ADCの低下を認めた。PET-CTでは膵鉤部に強いFDG集積と左眼窩内後壁にFDG集積亢進を示す腫瘤を認めた。臨床所見、画像所見から膵癌の胃、左上直筋、多発リンパ節転移と診断し、S-1+GEMによる化学療法を開始した。しかしフォローアップのCT、MRIで膵鉤部、左上直筋の腫瘤は増大傾向であり、化学療法による食思不振も出現したため、化学療法は中止した。また左上直筋腫瘤の増大による視神経の圧排を認め、入院中に視力低下、下転障害、眼瞼下垂の症状も認めた。その後は在宅加療を行ったが、徐々に全身状態の低下を認め、7月21日永眠された。眼科疾患のなかで転移性眼窩腫瘍の占める割合は少なく、なかでも膵臓癌の眼窩転移はきわめて稀である。一般に転移性眼窩腫瘍の予後は不良とされる。今回我々は臨床的に膵癌の眼窩転移と臨床的に診断した1例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵癌, 眼窩転移 |