セッション情報 |
ワークショップ1「膵疾患診療の最近の進歩」
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タイトル |
W1-4:当科における浸潤性膵管癌(IDC)に対する細胞診・生検診断の現状
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演者 |
松田 史博(大阪赤十字病院 消化器科) |
共同演者 |
岡部 純弘(大阪赤十字病院 消化器科), 中島 潤(大阪赤十字病院 消化器科), 大崎 往夫(大阪赤十字病院 消化器科), 若狭 朋子(大阪赤十字病院 病理部) |
抄録 |
【背景】従来、IDCの病理学的診断については、十分な診断率を得ることが難しかった。超音波内視鏡下穿刺生検法(EUS-FNAB)の導入による診断手法の追加により、診断率の向上が報告されている。【目的】当科におけるIDCに対する細胞診及び生検診断の現状について検討した。【対象・方法】2009年2月から2012年9月までにIDCと臨床診断された104例を対象とした。平均年齢68.4歳。男53例、女性51例。原則として、初診時に閉塞性黄疸を来していた症例は、内視鏡的胆道ドレナージ術を優先し、同時に経乳頭的細胞診、組織診を施行した。また、肝転移を伴う症例は、経皮的肝生検を先行させている。閉塞性黄疸や肝転移を認めない症例及び、他の手法で偽陰性が疑われる症例に対して、EUS-FNABを施行した。全体としていずれかの手法を施行したのは80%(83例)であった。【結果】全ての手法を合わせた感度は、98%(81/83)、特異度100%であった。各々の感度は、胆管ブラシ擦過 52%、胆管生検 38%、膵液吸引細胞診 25%、肝生検 100%、EUS-FNAB 95%であった。初診時に閉塞性黄疸を来し、経乳頭的処置を施行した29例の内、経乳頭的手法のみで診断に至らなかったのは13例であった。その内、10例に対してEUS-FNABを施行され、いずれも病理学的診断が可能であった。【結語】様々な手法を組み合わせることにより、IDCに対する病理学的な診断能の向上がみられた。特にEUS-FNABを診断体系に組み込むことが有用と考えられた。 |
索引用語 |
膵癌, EUS-FNAB |