セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 50:当院における潰瘍性大腸炎を背景としたcolitic cancerの検討 |
演者 | 堀居 雄介(京都府立医科大学附属病院) |
共同演者 | 内山 和彦(京都府立医科大学附属病院), 尾藤 展克(京都府立医科大学附属病院), 岡山 哲也(京都府立医科大学附属病院), 吉田 直久(京都府立医科大学附属病院), 鎌田 和浩(京都府立医科大学附属病院), 堅田 和弘(京都府立医科大学附属病院), 半田 修(京都府立医科大学附属病院), 高木 智久(京都府立医科大学附属病院), 石川 剛(京都府立医科大学附属病院), 小西 英幸(京都府立医科大学附属病院), 八木 信明(京都府立医科大学附属病院), 小倉 聡(京都府立医科大学附属病院), 内藤 裕二(京都府立医科大学附属病院) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎は原因不明の炎症性疾患であり、肛門から連続性の病変を有するのが特徴である。さらに、遷延する炎症や、それに伴って繰り返される粘膜の再上皮化はcolitic cancer発症の危険性を増加させることが報告されている。一般にcolitic cancerの予後は悪く、潰瘍性大腸炎におけるcolitic cancerのサーベイランスは特に注意が必要である。今回、当院での潰瘍性大腸炎患者を背景としたcolitic cancerの背景をまとめ、潰瘍性大腸炎のサーベイランスにおける注意点を検討した。【対象・方法】対象は過去5年間で1年以上の通院歴がある当院消化器内科外来通院中の潰瘍性大腸炎患者199例とした。潰瘍性大腸炎の診断と分類は臨床症状、放射線画像、内視鏡画像、組織学的診断基準に従っておこない、colitic cancerを発症した症例においてその背景を検討した。【結果】合計8症例(12病変)が潰瘍性大腸炎の経過観察中にcolitic cancerを発症し、それらの症例の潰瘍性大腸炎の平均罹患期間は19.4年であり、colitic cancerを発症しなかった191症例の平均罹患期間の10.6年より長かった。全12病変中、高分化型癌が8病変、低分化の成分を含むものが4病変であり、深達度は粘膜内癌3病変、sm浸潤癌3病変、mp以深の進行癌6病変であった。また直腸・S状結腸の遠位大腸に発症した病変が12病変中8病変であった。colitic cancerを発症した症例は全例が全大腸型であったが、colitic cancer非発症群では全大腸型は40.6%であった。両群において、発症年齢や性別、5-ASAを含む薬剤、ステロイド、免疫調節剤投与の有無による有意差はなかった。【結論】当院での潰瘍性大腸炎患者のcolitic cancer併発例の検討では、全大腸型、罹患期間10年以上の潰瘍性大腸炎患者で、特に遠位大腸で注意深いサーベイランスが必要であると考えられた。 |
索引用語 | colitic cancer, 潰瘍性大腸炎 |