セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F2-10:腸重積を契機に発見された回腸癌の1例 |
演者 | 八木澤 朋弘(近畿大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 | 足立 哲平(近畿大学 医学部 消化器内科), 高山 政樹(近畿大学 医学部 消化器内科), 峯 宏昌(近畿大学 医学部 消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大学 医学部 消化器内科), 永井 知行(近畿大学 医学部 消化器内科), 川崎 正憲(近畿大学 医学部 消化器内科), 朝隈 豊(近畿大学 医学部 消化器内科), 櫻井 俊治(近畿大学 医学部 消化器内科), 松井 繁長(近畿大学 医学部 消化器内科), 樫田 博史(近畿大学 医学部 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学 医学部 消化器内科), 大東 弘治(近畿大学 医学部 外科), 吉岡 康多(近畿大学 医学部 外科), 上田 和毅(近畿大学 医学部 外科), 筑後 孝章(近畿大学 医学部 病理部) |
抄録 | 患者は70歳代、女性。平成24年9月中旬頃より下痢・発熱を認め、感染性腸炎を疑われ、9/26他院に入院。絶食・補液・抗生物質投与にて腹痛・炎症反応は改善したが、下痢が持続するため腹部単純CTを施行したところ腸重積を指摘され、精査加療目的で10月3日当院に転院となった。造影CTを施行したところ、回盲部腸間膜が回腸とともに陥入しており小腸重積となっていた。精査目的にて10月5日経肛門的小腸内視鏡検査を施行し、内視鏡的に腸重積は修復されたが、バウヒン弁より約20cm口側の遠位回腸にほぼ全周性の発赤調隆起性病変を認め、同部位より生検を施行したところ高分化型腺癌と診断された。食事再開後も排便・排ガスを認め、イレウス症状は認めていなかったことより、緩下剤内服の上10月17日一旦退院となった。その後11月1日手術目的にて当院外科に入院し、11月2日腹腔鏡下回盲部切除術が施行された。切除標本マクロ像にて腫瘍は亜全周であり大腸における側方発育腫瘍(LST)様の形態を示していた。病理組織学的所見では不規則管状構造を示す異型腺管は粘膜内にのみ認め、高分化型管状腺癌の所見であり、また明らかな脈管浸襲は認めなかった。以上よりT1 N0 M0 stageIであり、術後補助化学療法は行わず経過観察中である。原発性小腸癌は消化管原発の悪性腫瘍の中でも比較的稀な疾患である。診断も困難で発見時にはすでに進行癌である場合が多く、予後不良とされている。今回我々は腸重積を契機に発見された早期回腸癌の1例を経験したので文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 | 腸重責, 回腸癌 |