セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F1-7:

ESDにて切除したA型胃炎合併胃カルチノイドの一例

演者 小森 崇史(ベルランド総合病院 消化器内科)
共同演者 大倉 康志(ベルランド総合病院 消化器内科), 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院 消化器内科), 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院 消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院 消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院 消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院 消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院 消化器内科), 吉村 道子(ベルランド総合病院 病理診断科)
抄録 症例は50歳代、男性。2011年9月にスクリーニング目的に施行された上部消化管内視鏡検査にて胃体上部小彎前壁に、頂部に一部陥凹を伴う5mm大の平坦隆起を認めた。同部位の生検標本にてChromograninA(+)、Synaptophysin(+)、CD56(+)であり、カルチノイド腫瘍と診断した。また、内視鏡的に胃全体に萎縮性変化を認め、血液検査では血清ガストリン値が2900pg/mlと高値で、血清抗H.pylori IgG抗体陰性、抗胃壁抗体陽性であった。以上から、A型胃炎に伴うRindi分類 Type1の胃カルチノイドと診断。2012年1月にESD施行した。切除径は30mm×30mmで、標本内に腫瘍径4mm、進達度SM(208μm)のカルチノイドを認めた。垂直・側方断端陰性であった。脈管侵襲は認めず、CTでリンパ節転移は認めなかった。ESD治療後7ヶ月の時点では腫瘍の再発や転移は認めず、現在慎重に経過観察中である。日々の診療において胃カルチノイドは多く遭遇するものではないが、その治療に関して実際に明確な治療ガイドラインは存在しない。今回、我々はA型胃炎にカルチノイドを合併し、ESDにて切除した一例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 胃カルチノイド, A型胃炎