セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y7-5:

繰り返す膵炎を契機に診断した膵管内管状腺癌の一例

演者 西尾 昭宏(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科)
共同演者 片岡 純子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 三浦 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 印藤 直彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 佐々木 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 末吉 伸之(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 八木 洋輔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 矢野 雄飛(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 山岡 優子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 廣吉 康秀(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 吉中 勇人(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 会美(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 隆洋(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 松井 佐織(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 悦子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 淳(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 向井 秀一(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 土田 忍(淀川キリスト教病院 消化器センター 外科), 豊川 晃弘(淀川キリスト教病院 消化器センター 外科), 寺村 一裕(淀川キリスト教病院 病理診断科)
抄録 症例は、40歳代男性。既往歴は神経性食思不振症と、他院で2回の膵炎治療歴がある。20XX年11月、腹痛と嘔気を主訴に、当院救急外来を受診した。血液検査で炎症反応の軽度上昇と、血清、尿中アミラーゼの上昇があり、腹部CTで膵全体の腫大が認められたため、急性膵炎の診断で精査加療目的に入院となった。絶食、輸液等にて急性膵炎は徐々に軽快した。造影CTでは、膵全体の造影効果は良好であったが、膵頭部に約20mm大の造影効果に乏しい腫瘤性病変を認めた。MRIではT1でlow intensity、T2でわずかにhigh intensityな腫瘤として描出された。EUSでは辺縁不明瞭で淡い低エコーを呈する内部不均一な類円形の腫瘤と、拡張した分枝膵管が描出され、脈管への浸潤はみられず、腫瘤形成性膵炎が疑われた。ERPでは同部位に主膵管の軽度拡張を認めた。また、主膵管へ突出する陰影欠損があり、腫瘤性病変の存在が示唆された。粘稠な膵液が採取され、膵液細胞診でadenocarcinomaと診断した。外科的切除の方針となり、20XX年1月、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を施行した。術中所見では膵頭部に硬く触れる腫瘤を認めた。病理組織にて、Intraductal tubular carcinomaと診断された。Alcian blue染色では、管腔側の細胞表面に粘液が認められるのみで、粘液産生はほとんどみられなかった。膵上皮性腫瘍の組織分類に関しては、未だ不確定な部分も多い。今回我々は、まれな組織型である膵管内管状腺癌を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵管内管状腺癌, 急性膵炎