セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y5-8:

腹腔静脈シャント(デンバーシャント)留置後に生じた肝膿瘍の1例

演者 久保 卓也(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科)
共同演者 瓦谷 英人(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 賀屋 大介(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 相原 洋祐(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 上嶋 昌和(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 森岡 千恵(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 野口 隆一(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 美登路 昭(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 吉治 仁志(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 福井 博(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科)
抄録 【症例】70歳、男性【既往歴】特記なし【現病歴】平成4年に食道静脈瘤破裂をきたし、以後アルコール性肝硬変および糖尿病にて当院に通院していた。平成21年頃より腹水貯留を認めるようになり入退院を繰り返していた。利尿剤への反応が悪くなり、内服による腹水コントロールが出来なくなったため平成23年9月に腹腔静脈シャント(デンバーシャント)を留置した。デンバーシャント留置後腹水は消失し、糖尿病もコントロール良好であった。しかし平成24年6月に40℃の発熱を認め、市販薬で解熱しないために当科に救急受診した。血液検査にてCRPの上昇および肝機能障害を認め同日緊急入院となった。腹部造影CT検査にて肝右葉に単純で低濃度、造影にて辺縁より濃染する多発小結節を認め肝膿瘍が疑われた。血液培養検査を行ったが起炎菌は検出できなかった。アメーバ抗体が陰性であり細菌性肝膿瘍と考えCPZ/SBTを投与した。入院3日目には解熱し、入院10日目まで点滴を継続した。以後LVFX500mgに変更し2か月間内服加療を継続し、炎症反応もなく、腹部CT検査にて肝膿瘍も消失していた。同年9月に再度40℃の発熱を認め当科に受診したところ再度肝機能障害を認め入院となった。腹部造影CT検査にて肝両葉に多発する低濃度域を認め肝膿瘍の再発が疑われた。血液培養検査を行ったが起炎菌は検出できなかった。また、感染経路同定のため全身CT、上・下部消化管内視鏡検査などを行ったがデンバーシャント以外に感染源は同定できなかった。CPZ/SBTを投与したが発熱は改善せず、MEPMに変更し3日目に解熱した。以後炎症反応も消失し、内服でLVFX500mgを継続投与しているが、現在まで肝膿瘍の再発は認めていない。【結語】今回デンバーシャント留置後に生じた肝膿瘍の1例を経験した。デンバーシャント留置後の肝膿瘍の報告は初めてであり若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝膿瘍, デンバーシャント