セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F4-8:

肝原発小細胞癌の一例

演者 齋藤 友充子(公立山城病院)
共同演者 新井 正弘(公立山城病院), 石破 博(公立山城病院), 川端 利博(公立山城病院), 坂上 共樹(公立山城病院), 黒田 雅昭(公立山城病院), 今井 昭人(公立山城病院)
抄録 【症例】53歳、女性【主訴】腹部腫瘤【現病歴】2012年8月15日頭痛で救急搬送された際に、右季肋部~上腹部に小児頭大の腫瘤を認めた。腹部エコー検査を実施したところ肝右葉にφ13cmの分葉状腫瘍、周辺に肝内転移様結節を認めた。後日施行した腹部造影CTで肝内に最大φ16cmの大小多数の結節を認めた。内部不均一で早期濃染を認め、後期相では辺縁にリング状濃染も伴っていた。血液検査ではLDH 2636、ALP 584、γ-GTP 156、と高値であった。CEA、AFP、CA19-9 、ProGRPは正常範囲であったが、NSE 316と高値であった。確定診断のため入院のうえ上下部消化管内視鏡検査、肝生検を実施した。上下消化管内視鏡検査では肝腫瘤や肝機能異常の原因となるような病変は認めなかったが、経皮的肝生検でCD56陽性かつTTF-1陰性より肝原発小細胞癌(T3N0M0 StageIII)の診断となった。これに対し9月26日より肺小細胞癌の治療に準じてCBDCAとVP-16による化学療法を行った。【考察】小細胞癌の多くは肺原発であり、消化管では食道原発小細胞癌の報告は認められるが、肝原発のものはほとんど報告がない。今回肝原発小細胞癌という稀な一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝臓癌, 小細胞癌