セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 38:腸管出血性大腸菌(0157)感染症による成人腸重積の1例 |
演者 | 岡部 誠(天理よろづ相談所病院消化器内科) |
共同演者 | 吉川 貴章(天理よろづ相談所病院消化器内科), 美馬 淳志(天理よろづ相談所病院消化器内科), 森澤 利之(天理よろづ相談所病院消化器内科), 塩 せいじ(天理よろづ相談所病院消化器内科), 宮島 真治(天理よろづ相談所病院消化器内科), 岡野 明浩(天理よろづ相談所病院消化器内科), 木田 肇(天理よろづ相談所病院消化器内科), 沖永 聡(天理よろづ相談所病院消化器内科), 久須美 房子(天理よろづ相談所病院消化器内科), 大花 正也(天理よろづ相談所病院消化器内科), 鍋島 紀滋(天理よろづ相談所病院消化器内科), 本多 浩太郎(天理よろづ相談所病院 腹部外科) |
抄録 | 症例:30歳代 女性 主訴:腹痛・下痢 既往歴:特記なし現病歴:当院受診の2日前から腹痛・水様下痢があった。近医にて腸重積を指摘され、外科的治療目的に当院に紹介受診となった。来院時の身体所見として下腹部中心に圧痛が強く微熱も認めた。下痢には粘血便が混ざっていた。腹部造影CT検査にて、右側結腸に高度の浮腫性肥厚があり、横行結腸先端部は重積していた。重積部に明らかな腫瘍はなく、画像上は感染性腸炎が疑われた。また便培養でO157抗原迅速検査陽性と判明し、腸管出血性大腸菌(O157)感染症による腸重積と診断し緊急入院となった。絶食・補液とし、内服抗生剤の投与を開始した。第4病日には少量の粘血便を認めるのみで、腹痛・下痢といった症状はほぼ軽快しており、腹部超音波検査でも腸重積が解除されていることを確認した。その後食事を再開し、便培養でO157陰性であることを2回確認し、退院となった。考察:一般に成人の腸重積の原因は多くが腫瘍性病変によるものと言われている。腸管出血性大腸菌(0157)感染症による腸重積の報告は少なく、ほとんどが小児症例であり、成人例は稀である。本症例は早期に診断がつき、手術を回避できた。腸重積と診断した場合、稀ではあるが、本症例のような腸管出血性大腸菌(0157)感染症を含む感染性腸炎も念頭におく必要がある。結語:今回我々は腸管出血性大腸菌(0157)感染症による腸重積の1例を経験した。当院における過去約5年間の腸重積症例の検討と若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 0157, 腸重積 |