セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y5-5:

ソラフェニブが奏功したVp3肝細胞癌の1例

演者 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
共同演者 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 北本 博基(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
抄録 【背景】主要脈管浸潤を伴う肝細胞癌(HCC)に対するソラフェニブの治療効果は乏しいとの報告がなされているが、同病態においては比較的早期の肝予備能悪化も懸念され、肝動注化学療法(HAIC)といずれを優先すべきか迷う症例を経験する。今回、HAICからソラフェニブへの切り替えが奏功したVp3を伴うStage IVA HCCの1例を経験したので報告する。【症例】症例は75歳男性。C型慢性肝炎にて近医で加療中に肝腫瘤を指摘され当院紹介受診。平成23年5月、肝S4 3cm、S6 1.5cm、S7 1cm大のHCCに対して肝動脈化学塞栓療法および経皮的ラジオ波焼灼術を施行。同9月のEOB-MRIにてS4治療後近傍再発および門脈左枝1次分枝腫瘍栓(Vp3)を認めた。肝予備能はChild-Pugh A(5点)と良好でありHAIC適応と判断、low dose FP療法を2コース施行したが治療効果は不良であった。そこで同12月および平成24年1月にシスプラチン、リピオドールを用いた肝動注を行ったが同様に治療効果は得られず、同2月よりソラフェニブ800mg/日投与を開始した。開始6週頃より高血圧、手足症候群(Grade2)および食思不振が出現、前2者は投薬などにてコントロール可能あるいは自制内であったが食思不振の悪化のため7週目より400mg/日に減量した。ソラフェニブ投与開始3カ月後の造影CTでS4 HCCは不明瞭化し門脈腫瘍栓も若干縮小傾向がみられた。一方PIVKA-II値はソラフェニブ開始後に顕著な上昇がみられていたが(開始前1268mAU/ml、投与1カ月後6030mAU/ml)、7月(ソラフェニブ開始約5ヶ月後)に胃静脈瘤破裂のためソラフェニブを一時中断していたところPIVKA-II値の正常化が確認され、9月のEOB-MRIにて門脈腫瘍栓は明らかな縮小がみられ早期濃染も認めなかった。現在200mg/日でソラフェニブを継続中であるが、11月のEOB-MRIで門脈腫瘍栓はさらに縮小し、腫瘍マーカー上昇も認めていない。
索引用語 ソラフェニブ, 門脈腫瘍腺