セッション情報 | シンポジウム2「肝細胞癌に対する治療戦略」 |
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タイトル | S2-6:当院におけるソラフェニブ使用経験と今後の治療戦略 |
演者 | 稗田 信弘(大津赤十字病院) |
共同演者 | 内海 貴裕(大津赤十字病院), 松本 淳(大津赤十字病院), 森 義治(大津赤十字病院), 財間 千景(大津赤十字病院), 曽我部 裕子(大津赤十字病院), 西田 吉宏(大津赤十字病院), 垣内 伸之(大津赤十字病院), 松永 康寛(大津赤十字病院), 水口 綾(大津赤十字病院), 安村 聡樹(大津赤十字病院), 友野 輝子(大津赤十字病院), 日高 健太郎(大津赤十字病院), 長谷川 和範(大津赤十字病院), 本庶 元(大津赤十字病院), 近藤 雅彦(大津赤十字病院), 西川 浩史(大津赤十字病院), 三宅 直樹(大津赤十字病院), 河南 智晴(大津赤十字病院) |
抄録 | 【背景と目的】2009年5月、切除不能肝細胞癌にソラフェニブが保険適応となり、進行肝細胞癌に対する治療の選択肢のひとつとなった。当院において、ソラフェニブを使用した切除不能肝細胞癌患者について検討する。【対象】2009年5月1日~2012年10月31日の期間で、当院にてソラフェニブを使用した27例のうち、4週以上投与でき治療効果判定を行った19例を対象とした。【方法】前記19例において、ソラフェニブ投与後1ヵ月以上投与した段階での最良のRECIST評価を行い、ソラフェニブの腫瘍抑制効果を検討した。【結果】年齢 57歳~81歳(年齢中央値 72.0歳)。男性:女性=14:5。ECOG PS=0 9例、PS=1 10例。背景肝疾患は、B型肝硬変 3例、C型肝硬変 10例、アルコール性肝硬変 5例、NASH 1例であった。Child-Pughスコア 5点 6例、6点 10例、7点 3例でChild-Pugh grade Cでの導入はなかった。Stage III 4例、Stage IVA 5例、Stage IVB 10例で、肝外病変は肺転移 6例、骨転移 6例、副腎転移 1例、リンパ節転移 5例であった。ソラフェニブの初期投与量は800 mg/日 15例、400 mg/日 4例。投与期間は、29日~1196日(投与期間中央値 131日)であった。治療効果はCR 0例、PR 1例、SD 10例、PD 8例であった。11例でSD以上の腫瘍抑制効果が認められた。一方で、現在も投与を継続できているのは2例と少なく、投与中止理由としては、PD 7例、副作用 8例、転院 1例、死亡 1例であった。投与中止理由の副作用(重複あり)は、手足症候群 1例、皮膚障害 1例、下痢 2例、肝機能障害 2例、出血 2例、血球減少 2例、全身倦怠感 1例であった。【結論】切除不能肝細胞癌に対するソラフェニブ投与は、過半数の症例で腫瘍抑制効果が認められた。ソラフェニブは、切除不能肝細胞癌に対する1つの治療戦略として有効であると考えられた。一方、副作用による中止も約4割と多く、いかに副作用を減らし治療を継続するか、今後の治療戦略について検討する。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ソラフェニブ |