セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y2-6:

成人腸重積症を来した回腸 inflammatory fibroid polypの1例

演者 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
共同演者 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 猪熊 哲郎(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
抄録 【症例】37歳女性【主訴】腹痛【既往歴】特記すべき事項なし【現病歴】2012年7月19日より腹痛・下痢が出現し、改善しないため、7月22日近医を受診。腹部超音波検査および腹部CT検査にて上行結腸に腸重積を認め入院加療の方針となった。7月23日下血を伴うようになり、画像上重積部粘膜の血流障害が疑われたため、当院へ転院となった。【経過】重積の先進部に器質的病変があるかどうか、および粘膜に虚血壊死を疑う所見がないか確認するために下部内視鏡検査を施行。上行結腸に腫瘍性病変が先進部となった回腸-結腸型の腸重積を認めた。病変の粘膜面には虚血によりびらん・壊死を認め、内視鏡的整復は不可能と判断し、回盲部切除術にて治療を行った。術後経過は良好で、術後6日目に退院となった。病理組織所見では、バウヒン弁より約20cmの位置に2.3cm×2.3cm大の腫瘤を認め、腫瘤より肛門側約7cmに渡り回腸粘膜の暗赤色に変色していた。腫瘤は回腸粘膜下層に広がり、浮腫状で毛細血管に富んでおり、紡錘形細胞の増生と好酸球浸潤を数多く認め、inflammatory fibroid polyp(IFP)と診断された。【考察】IFPは消化管粘膜下に発生する良性腫瘤性病変で、胃に多く小腸発生例は比較的まれである。小腸IFPは本症例のように腸重積にて発症することが約80%と多いことが特徴で、緊急手術の対象となることが多い。再発例の報告はなく、予後は良好とされている。小腸IFPについて文献的考察を加えて報告する。
索引用語 IFP, 腸重積