セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y6-7:

急性胆嚢炎を契機に発見された胆嚢腺内分泌癌の1例

演者 増尾 謙志(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科)
共同演者 和田 将弥(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター 中央市民病院 消化器内科), 井ノ口 健太(神戸市立医療センター 中央市民病院 外科), 瓜生原 健嗣(神戸市立医療センター 中央市民病院 外科), 貝原 聡(神戸市立医療センター 中央市民病院 外科), 山下 大祐(神戸市立医療センター 中央市民病院 臨床病理科), 今井 幸弘(神戸市立医療センター 中央市民病院 臨床病理科)
抄録 症例は73歳男性。既往歴に高血圧、十二指腸潰瘍あり。平成24年3月に右上腹部痛が出現し以後も間欠的に症状が持続するため他院を受診し、腹部超音波検査で胆嚢の腫大を認めたため当院を紹介受診となった。血液検査では白血球数 10200/μL、CRP 7.58mg/dLと炎症反応が上昇しており、腹部CTでは胆嚢の腫大・壁肥厚、周囲脂肪織濃度の上昇を認めたため急性胆嚢炎と診断され当院外科へ緊急入院となった。発症より時間が経過していたため緊急胆嚢摘出術は施行せず、保存的加療を行い軽快し退院となった。待期的に胆嚢摘出を行う予定とし、同年7月に腹部超音波検査を施行したところ胆嚢は腫大し内部にdebrisや結石を認めた。胆嚢底部には20mm大の広基性で結節状のポリープを認めた。腹部造影CTにおいても胆嚢底部に隆起性病変が指摘された。また、総胆管結石も認めたため精査加療目的に当科へ入院となった。EUSでは胆嚢底部に22.9×17.3mm大の隆起性病変が描出された。ERCでは総胆管内に複数の結石を認め、ESTを施行のうえ載石した。また胆嚢管はバルーンカテーテルにて造影圧も高めたが造影できなかった。造影超音波検査にて胆嚢底部の隆起性病変は早期に染影され乳頭状の腫瘍として明瞭に描出された。胆嚢癌などの悪性腫瘍の可能性が疑われたため同年8月に開腹胆嚢摘出術が施行された。隆起性病変部には腺癌成分と内分泌腫瘍成分が混在しており、腺内分泌癌と病理組織診断された。胆嚢原発の腺内分泌癌は非常に稀で、早期に転移をきたす予後不良の疾患である。今回、急性胆嚢炎を契機に発見された胆嚢腺内分泌癌の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆嚢癌, 腺内分泌癌