セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 25:Trastuzumab+XP療法導入時に重篤なinfusion reactionを呈した進行胃癌の1例 |
演者 | 水本 塁(市立池田病院 消化器内科) |
共同演者 | 中原 征則(市立池田病院 消化器内科), 八木 麻衣(市立池田病院 消化器内科), 倉橋 知英(市立池田病院 消化器内科), 卜部 彩子(市立池田病院 消化器内科), 大西 孝典(市立池田病院 消化器内科), 牧野 祐紀(市立池田病院 消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院 消化器内科), 松本 康史(市立池田病院 消化器内科), 澤井 良之(市立池田病院 消化器内科), 井倉 技(市立池田病院 消化器内科), 厨子 慎一郎(市立池田病院 消化器内科), 福田 和人(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科), 黒川 正典(市立池田病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】68歳男性【既往歴】2006年 前立腺癌に対し当院にて前立腺全摘術【病歴】2011年12月21日~12月29日外傷による右肋骨多発骨折、右鎖骨遠位端骨折、右外傷性血胸で他病院に入院。入院中に施行した胸部CTにて多発肝腫瘤を認めたため精査された。上部消化管内視鏡検査で胃前庭部に半周性の3型病変を認め、腹部造影CTで多発肝腫瘤・腹膜腫瘤・横行結腸・膵浸潤を認めた。生検でadenocarcinoma,tub1~2であり、進行胃癌stage4と診断された。当院での化学療法を希望したため2012年1月24日当院紹介受診となった。2月13日、化学療法施行目的に入院となった。免疫染色でHER2:3+であり、Trastuzumab(以下Tmab)+XP療法導入とした。2月14日Tmab 8mg/kg投与開始後5分後より呼吸苦を自覚。30分後悪寒、戦慄、呼吸困難、喘鳴著明となった。全身のチアノーゼ著明であり、全身は発赤し、聴診上全肺野にwheezeを聴取した。リザーバ―マスク15L下にSpO2:50%まで低下した。Tmabによる重篤なinfusion reaction(Grade 4)と判断し、同薬剤を即座に中止した。エピネフリン0.5mg筋注、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩5mg点滴、ヒドロコルチゾン300mg点滴投与を行なったところ症状は速やかに改善した。その後再増悪を認めなかった。Grade 4の有害事象であり、再投与は危険であることを御自身、御家族に説明し、2月21日よりSP療法を開始し、1クール終了後まで特記すべき合併症を認めなかった。【考察】ToGA試験の結果によりTmab +XP療法がHER2陽性進行胃癌における標準療法として施行されている。Tmabは特有の有害事象として初回投与時の約40%にInfusion reactionが出現することが知られている。その多くが軽症であり、マネージメントにより制御が困難ではないが、稀に重症例も報告されており、死亡例の報告も存在する。胃癌症例においてTmabにより重篤なinfusion reactionを呈した症例の報告は海外も含め、比較的まれである。【結語】Tmab+XP療法導入時に重篤なinfusion reactionを呈した進行胃癌の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | Trastuzumab, infusion reaction |