セッション情報 シンポジウム1「消化器診療におけるイノベーション」

タイトル S1-5:

大腸CT検査の初期経験

演者 土井 喜宣(国家公務員共済組合連合会大手前病院 消化器内科)
共同演者 北山 聡明(国家公務員共済組合連合会大手前病院 放射線科), 大口 善郎(国家公務員共済組合連合会大手前病院 外科)
抄録 【目的】当院では今年9月より大腸CT検査を導入した。患者にアンケートを実施することにより、大腸CT検査が受検者にどの程度許容される検査かを検討した。【対象と方法】大腸CT検査の適応は、(1)検診目的、(2)便潜血陽性精査、(3)大腸がん術前とした。前処置は大腸CT用検査食(FG-one)を用いたブラウン変法で行い、taggingに経口造影剤(ガストログラフィン)を使用している。自動炭酸ガス送気装置の圧設定は17mmHgで行った。対象は平成24年9月から11月に、当院で大腸CT検査を施行した46例。男性23例、女性23例。年齢は37~96歳(平均59.4歳)。検診目的が29例、精査が12例、大腸内視鏡検査直後5例。前処置(検査食、下剤)、検査の苦痛程度などについてアンケート調査を行った。【結果】CT室入室から退室までの平均所要時間は15分28秒。炭酸ガスの平均注入量は2.5リットル。過去に注腸検査の経験ある患者が6名、大腸内視鏡検査の経験がある患者が10名。検査食の味、量を5段階で評価した。味に関してはとても良い、まずまず良いを合わせて23名、どちらともいえない8名、やや悪い、悪いを合わせて6名。量に関して、とても多い、やや多い合わせて16名、どちらとも言えない14名、やや少ない、少ないを合わせて7名。下剤の辛さについても5段階で評価した。とても楽、まずまず楽を合わせて20名、どちらとも言えない7名、やや辛い、辛いを合わせて11名。検査時間も5段階で評価した。とても速い18名、まずまず速い13名、どちらとも言えない7名。検査全体の苦痛の程度を5段階で評価した。とても楽、まずまず楽を合わせて25名、どちらとも言えない8名、やや辛い3名。再度大腸CT検査を受けたいと思うかの問いには、機会があれば受けたい23名、どちらとも言えない9名、受けたくない3名という回答であった。【結語】大腸CT検査は受検者に概ね好評な検査と考えられた。
索引用語 大腸CT検査, 大腸癌