セッション情報 一般演題

タイトル 21:

リンパ節転移を認めた腫瘍径6mmの食道表在癌の一例

演者 奥 久徳(大阪赤十字病院 消化器科)
共同演者 金坂 卓(大阪赤十字病院 消化器科), 大原 芳章(大阪赤十字病院 消化器科), 竹田 治彦(大阪赤十字病院 消化器科), 中島 潤(大阪赤十字病院 消化器科), 松田 史博(大阪赤十字病院 消化器科), 坂本 梓(大阪赤十字病院 消化器科), 幡丸 景一(大阪赤十字病院 消化器科), 邊見 慎一郎(大阪赤十字病院 消化器科), 齋藤 澄夫(大阪赤十字病院 消化器科), 西島 規浩(大阪赤十字病院 消化器科), 那須 章洋(大阪赤十字病院 消化器科), 西川 浩樹(大阪赤十字病院 消化器科), 米門 秀行(大阪赤十字病院 消化器科), 関川 昭(大阪赤十字病院 消化器科), 津村 剛彦(大阪赤十字病院 消化器科), 喜多 竜一(大阪赤十字病院 消化器科), 圓尾 隆典(大阪赤十字病院 消化器科), 岡部 純弘(大阪赤十字病院 消化器科), 木村 達(大阪赤十字病院 消化器科), 大崎 往夫(大阪赤十字病院 消化器科)
抄録 【症例】70歳代男性【主訴】なし【既往歴】前立腺癌(手術)【現病歴】健診の上部消化管内視鏡検査にて胸部中部食道後壁に白色光で発赤調、ヨード染色でpink color sign陽性の明瞭な不染帯を呈する6mm大の表面隆起型病変を認めた。生検にて食道癌と診断され、精査加療目的に当科を紹介受診した。NBI併用拡大観察では、brownish areaの内部に樹枝状の非ループ血管(食道学会分類B2)を認めた。CTでは右反回神経リンパ節の腫脹(#106recR, 10mm大)を認めたが、FDG-PET・CTでは有意な集積は認めなかった(SUVmax2.3)。術前診断は深達度MM/SM1の食道表在癌であり、臨床的には明らかなリンパ節転移はないと判断した。診断的治療としてESDを施行し、一括切除した。病理結果は、Squamous cell carcinoma, pT1a-MM, INFb, ly0, v0, pHM0, pVM0, type 0-IIa, 6×2mmであった。ESD後は、CT及び上部消化管内視鏡検査にて厳重経過観察とした。16ヶ月後、CTで右鎖骨上リンパ節の増大を認めた(#104R, 10mm大)。FDG-PET・CTを再検したところ、同部位に異常集積(SUVmax>3.37)を認めた。頸部リンパ節郭清を施行し、病理結果にてSquamous cell carcinomaの転移を認めた。現在、追加治療として化学放射線療法を予定している。【考察】10mm以下の小食道癌の大部分は深達度EP/LPMであり、5mm以下では全例EP/LPMであったという報告がある。また、深達度MMの食道癌のリンパ節転移率は約9.3%程度と報告されていて、脈管侵襲陰性の症例では追加治療を行わずに経過観察される症例も多い。腫瘍長径6mmと微小な病変でありながら、リンパ節転移をきたした稀な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道癌, リンパ節転移