セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y6-4:

膵動静脈奇形の一例

演者 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院 消化器内科)
共同演者 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院 消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院 消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院 消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院 消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院 消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院 消化器内科)
抄録 【症例】46歳男性【主訴】上腹部痛【既往歴】特記事項なし【生活歴】飲酒:焼酎5合+ワイン1本/日×25年【現病歴】2011年10月初旬より上腹部痛をたびたび自覚していた。近医で投薬加療行われたが、症状軽快せず、10月17日当院を受診。腹部単純CTで膵周囲に脂肪織混濁が疑われ、急性膵炎の診断で入院した。【経過】入院後の腹部造影CTでは膵体部に動脈優位相で濃染する異常血管が認められた。同部位に一致してMRCPでは主膵管の狭窄が疑われた。症状は保存的加療で軽快したため後日ERCPを施行したところ、その際にファイバーの吸引操作で乳頭からの出血を認めた。出血が持続するため、すぐさま止血目的に血管造影を行った。血管造影では腹腔動脈からの造影で膵頭部から体部にかけて網目状の血管集簇像と門脈の早期濃染が認められたため膵動静脈奇形と診断。造影剤の血管外漏出像は認めず、塞栓術は行わなかった。根治目的に外科的手術を勧めたものの同意が得られず現在外来で経過観察中である。その後約1年間腹痛や貧血進行は認めていない。【考察】膵動静脈奇形は比較的稀な疾患ではあるが、近年画像診断の進歩に伴いその報告例も徐々に増えている。今回我々はVater乳頭から出血をきたした膵動静脈奇形の一例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵動静脈奇形, 乳頭出血