セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y6-1:

膵頭十二指腸切除後に発生した高度脂肪肝に対しPancrelipaseが著効した1例

演者 八木 麻衣(市立池田病院 消化器内科)
共同演者 澤井 良之(市立池田病院 消化器内科), 卜部 彩子(市立池田病院 消化器内科), 大西 孝典(市立池田病院 消化器内科), 倉橋 知英(市立池田病院 消化器内科), 牧野 祐紀(市立池田病院 消化器内科), 水本 塁(市立池田病院 消化器内科), 小来田  幸世(市立池田病院 消化器内科), 松本  康史(市立池田病院 消化器内科), 中原  征則(市立池田病院 消化器内科), 井倉  技(市立池田病院 消化器内科), 厨子  慎一郎(市立池田病院 消化器内科), 福田  和人(市立池田病院 消化器内科), 今井  康陽(市立池田病院 消化器内科), 黒川  正典(市立池田病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】広範囲膵切除後、とくに膵頭十二指腸切除術(PD)後に非アルコール性脂肪肝が発生し、膵酵素剤の大量投与が有効であったとの報告がある。2011年8月、高力価膵酵素剤であるPancrelipaseが保険採用となったが、同様の脂肪肝に対し投与した報告はない。今回我々はPD後に発生した高度脂肪肝に対しPancrelipaseが著効した1例を経験したので報告する。【症例】66歳 女性 【主訴】体重減少、下痢 【既往歴】特記すべきことなし 【現病歴】2010年3月左下腹部痛を主訴に当院受診、腹部CTにて膵頭部に径44mm大の嚢胞性病変を認め他院紹介、同年7月膵管内乳頭粘液性腺癌の診断でPD施行した。以降再発認めず2012年2月経過観察目的に当院紹介となった。食欲は良好であったが脂肪便を認め、2011年より両下腿浮腫が出現、持続していた。また身長156cm、体重42kg(BMI17.3)、術直後体重50kgであり、術後の体重減少を認めていた。紹介時血液検査ではAlb 2.8g/dl, AST 126IU/l, ALT 108IU/l, ALP 389IU/l, γGTP 47IU/l, TG 37mg/dlと低アルブミン血症、肝機能異常、低TG血症を認め、p-Amy 15IU/l, リパーゼ 5U/l, トリプシン 50ng/ml, エラスターゼI 40ng/dlと膵酵素の著明な低下も認められた。またHbA1c 5.9%、空腹時血糖値 72mg/dlであり糖尿病は認められなかった。同年3月の腹部CTにて高度な脂肪肝を認めた。低栄養状態、脂肪便の存在より膵外分泌能低下が考えられたため、膵酵素補充療法(Pancrelipase 1800mg/日投与)を開始した。投与開始後、脂肪便は改善し5月には体重48kg(BMI19.7)と増加を認め、血液検査ではAlb 4.1g/dl, AST 28IU/l, ALT 24IU/l, ALP 279IU/l, γGTP 67IU/l, TG 91mg/dlと肝機能、栄養状態ともに改善を認めた。また9月の腹部CTでは脂肪肝の著明な改善を認めた。【結語】PD後に発生した高度脂肪肝に対しPancrelipaseが著効した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 脂肪肝, Pancrelipase