セッション情報 一般演題

タイトル 64:

肝細胞癌(HCC)に対するRFAにより胃穿通を認めた一例

演者 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院 消化器内科)
共同演者 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院 消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院 消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院 消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院 消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院 消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院 消化器内科)
抄録 症例は73歳女性。既往歴はアルコール性肝硬変、右乳癌術後、胃胆管瘻孔。家族歴は特記事項なく、嗜好歴は禁酒できており喫煙はなし。当科外来通院中、平成24年8月9日に造影CTで左葉外側域に18mm大のSOLを指摘され、ソナゾイド造影エコー施行すると早期相でやや遅れて淡く造影され,Kupffer相で染影低下するSOLを指摘した。以上よりHCCと診断した。肝予備機能はChild分類Aで病変は単発よりRFAの方針とした。同年8月31日に同病変に対して心窩部縦走査エコー下にcooltip 3cm針でRFA施行した。術後5日目に心窩部痛出現し、血液検査でAST157U/l、ALT99U/l、WBC4900/μl、CRP7.61mg/dlと肝機能上昇および炎症反応上昇を認めた。また腹部CTでS3にRFA焼灼後の低吸収域あり、その背側胃壁間にairを認めた。続いて上部消化管内視鏡施行したが、以前に前庭部前壁に既知の胆汁瘻を認めたところに径4cm大の巨大潰瘍を認めた。送気良好で明らかな穿孔は認めなかった。以上よりRFA焼灼による胃穿通と診断し保存的に治療した。絶食、抗生剤、胃管挿入で経過観察したところ症状の軽減および炎症反応の改善を認め、CTでも悪化認めなかったため術後24日目より経口摂取開始し、状態悪化認めず32日目に退院した。現在外来で症状再発なく経過観察されている。胃胆管瘻孔の存在によりRFAの焼灼が広範囲になり胃壁に多くの熱刺激が加わった可能性があると考えている。HCCに対するRFAにより胃穿通を認めた一例を経験したので若干の文献を含めて報告する。
索引用語 肝細胞癌, RFA