セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年目迄)

タイトル Y7-10:

嚢胞内出血を伴う膵仮性嚢胞に対してIVRとERCP関連手技で治療した1例

演者 正木 幸作(県立淡路病院 内科)
共同演者 藤垣 誠治(県立淡路病院 内科), 荒木 康宏(県立淡路病院 内科), 元地 奈弓(県立淡路病院 内科), 加藤 隆夫(県立淡路病院 内科), 西 勝久(県立淡路病院 内科)
抄録 【症例】60代男性【主訴】腹痛【現病歴】アルコール性慢性膵炎のため他院に通院加療中であった。2012年5月ころより膵尾部に嚢胞性病変を指摘され、嚢胞径の増大はあったが、自覚症状を認めないために経過観察とされていた。6月に心窩部痛があり、CT検査にて嚢胞内出血と炎症反応の上昇を認めたため、当院に紹介され緊急入院となった。【経過】CT検査で嚢胞内内容は高吸収であったが、結節成分など腫瘍性嚢胞を示唆する所見はなかった。膵仮性嚢胞および嚢胞内出血と診断し、まず保存的加療を選択した。自他覚所見は比較的速やかに改善を認め、第10病日より流動食から開始した。食事開始に伴い高アミラーゼ血症をきたしたため、絶食が必要であったが、第19病日の食事再開以後は画像上嚢胞縮小傾向であり経過良好と判断した。しかしながら第37病日より上腹部膨満感を訴えたため、ダイナミックCT検査を施行したところ、嚢胞内の血管外漏出の所見と入院時には認めなかった脾動脈領域の仮性動脈瘤の形成を認めた。膵炎に伴う仮性動脈瘤の嚢胞内穿破と考え、緊急IVRを施行した。血管撮影で動脈瘤の栄養血管が同定したのちヒストアクリルとリピオドールの混合液で動脈瘤が描出されなくなるまで塞栓した。治療後の出血所見はなかったが、仮性嚢胞の増大傾向を認めたため、ERCP関連手技による治療の適応と判断し、第59病日にERCPを施行した。膵管造影にて主膵管と仮性嚢胞に交通を認めたため、EPST(膵管口乳頭切開術)を施行した後に、5FrのENPD(経鼻膵管ドレナージ)を施行した。ENPD留置後から自覚症状は改善し、画像での経過観察でも嚢胞の著明な縮小を認めたため、7Fr7cmの膵管ステントにて内瘻化した。その後も経過良好であったため第85病日に退院とした。【結語】アルコール性慢性膵炎を背景に膵尾部に形成された仮性嚢胞と仮性動脈瘤の嚢胞内出血例に対して、IVRとERCP関連手技が効果的であった例を経験したため報告する。
索引用語 慢性膵炎, 仮性動脈瘤