セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F5-1:

13年間の経過観察の末、肝切除施行した肝内胆管癌の一例

演者 ヤハヤ ベンスレイマン(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 初期研修)
共同演者 文 宣貴(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 高見  柚賀子(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 田中 智子(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 賀来 佳子(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 横山 邦雄(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 平田 建郎(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 光辻 理顕(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 岩崎 武(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科), 島田 悦司(独立行政法人 国立病院機構 神戸医療センター 外科)
抄録 【はじめに】肝血管腫として長期経過観察されていたが増大傾向を示し、術前診断が困難であった、肝内胆管癌の一切除例を報告する。【症例】75歳男性。【現病歴】 高血圧。アルコール性肝障害に対し通院中の前医で1998年に腹部エコーにて肝S6に15mm大の腫瘍を指摘され、血管腫として経過観察となった。2002年のMRIでは20mm、2008年のMRI,CTで、さらに増大認めたため、悪性腫瘍の可能性も否定できず、同年10月に当院に紹介となった。【経過】初診時の造影MRI,ダイナミックCTで35mm大の腫瘍性病変を認めた。画像診断は困難で、腫瘍マーカーの上昇もなく、経過も併せて考えると血管腫を疑ったが増大傾向にあるため、悪性の可能性もあり手術を勧めたが患者n承諾を得ることができなかった。当院にて定期的に画像検査による経過観察の方針となった。徐々に増大傾向にあり、2010年には50mmと増大し悪性腫瘍も否定できないとの結果を踏まえ、手術を強く勧めたが、承諾されず、さらに経過観察となった。2011年のMRIでは、57mmに増大し、硬化性肝血管腫が鑑別に挙げられるが緩徐に増大する胆管細胞癌が最も疑われた。手術の承諾も得られたため、2011年9月に肝S6亜区域およびS5の一部の肝切除術を施行した。病理組織診断は胆管細胞癌であった。本例は術後ほぼ1年経過した現在、再発兆候無しである。【結語】肝血管腫として長期経過観察中に徐々に増大し、診断に苦慮した肝内胆管癌の一切除例を経験した。
索引用語 肝内胆管癌, 硬化性肝血管腫