セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F5-10:

TACE無効であったがエベロリムスが有効な膵NET肝転移の1例

演者 山下 暢子(西神戸医療センター消化器内科)
共同演者 吉田 裕幸(西神戸医療センター消化器内科), 沖重 有香(西神戸医療センター消化器内科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター消化器内科), 荒木 理(西神戸医療センター消化器内科), 津田 朋広(西神戸医療センター消化器内科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター消化器内科), 安達 神奈(西神戸医療センター消化器内科), 島田 由香里(西神戸医療センター消化器内科), 林 幹人(西神戸医療センター消化器内科), 井谷 智尚(西神戸医療センター消化器内科), 三村  純(西神戸医療センター消化器内科), 橋本 公夫(西神戸医療センター病理科)
抄録 症例】30歳代男性【主訴】肝腫瘤精査【現病歴】2010年1月、スクリーニングの腹部エコーにて多発する肝腫瘤を指摘され当科受診。CTでは膵体尾部にも約4cmの腫瘍がみられた。エコーガイド下に肝腫瘤から生検施行したところ高分化型内分泌細胞癌の診断を得られた。各種内分泌検査で異常なく非機能性の膵原発内分泌細胞癌、多発肝転移と診断した。【経過】本人、家族の同意のもと高度に多血性の肝転移巣の治療を優先することとして同年2月から酢酸オクトレオチドを開始し、4月、7月にTACE施行したが肝転移は増悪あり。このため10月に当院外科にて原発巣の膵体尾部を切除した。2012年1月エベロリムスが本疾患に保険適応となったため直ちに内服を開始したところ、肝転移巣は一部に縮小を認めPR~SD状態を現在まで維持している。【考察】膵NETは比較的稀な疾患であり、進行は遅いと言われるが発見時に肝転移をきたしていることが多く、切除できなければ予後不良とされていた。それはこれまでに標準的な治療が確率されていなかったことが理由であったがエベロリムスが認可されたことで本症例のように予後の改善が今後期待できるようになった。膵NETには他にも開発中、治験中の薬剤があり、文献的考察をくわえ
索引用語 膵NET, エベロリムス