セッション情報 パネルディスカッション2 「根治治療不能進行消化器がんに対する治療選択」

タイトル P2-06(追加発言):

根治術不能の悪性大腸閉塞に対し緩和医療としての姑息的ステント療法の有用性と問題点

演者 平川 富夫(八尾徳洲会総合病院 消化器内科)
共同演者 杉田 博(八尾徳洲会総合病院 消化器内科), 瓜生 恭章(八尾徳洲会総合病院 消化器内科), 鯉田 五月(八尾徳洲会総合病院 肝臓内科), 木村 拓哉(八尾徳洲会総合病院 肝臓外科)
抄録 【目的】本邦において2011年12月に大腸ステントが保険収載され、根治的手術の適応でない全周狭窄型大腸癌狭窄の緩和医療としても普及しつつある。当院での留置成績を分析し有用性と問題点を検討した. 【方法と成績】2012年7月から2013年4月までに施行した大腸ステント留置10例のうち緩和医療としての姑息的治療目的挿入は4症例40%であった.留置部位は脾湾曲1例、直腸3例、病変は原発性大腸癌が3例、大腸癌局所再発が1例であった.根治手術を未施行の理由は遠隔転移1例、肝臓癌肝不全併発1例、腹膜播種1例、脳梗塞後後遺症(PS4)が1例. ステントはBoston 社製WallFlexを用い、挿入留置は全例に可能で、画像上全例で狭窄部は開存しえた。留置期間は13-162日(2013年4月末現在),中間値は79日であった.4例中3例で大腸閉塞スコア(CROSS)の改善が認められたが、1例では留置前後のCROSSは変わらなかった。偶発症はステントmigrationが1例のみであり、挿入留置手技にともなう偶発症,手技関連死亡例はなかった.【結論】大腸ステント留置術は狭窄解除率が高く、安全で治療時間も短く、侵襲が少ないため手術不能の悪性腫瘍による大腸狭窄例においてQOL改善に有効であると考えられる。
索引用語 悪性大腸狭窄, 大腸ステント