セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F4-3:IFN著効20年後に肝細胞癌を発症したC型肝硬変の1例 |
演者 | 岡部 純弥(市立池田病院) |
共同演者 | 福田 和人(市立池田病院), 井倉 技(市立池田病院), 澤井 良之(市立池田病院), 小来田 幸世(市立池田病院), 松本 康史(市立池田病院), 中原 征則(市立池田病院), 厨子 慎一郎(市立池田病院), 今井 康陽(市立池田病院), 前田 祐一(まえだクリニック) |
抄録 | C型慢性肝炎に対するIFN治療によりSVRが得られてもその後肝細胞癌を発症する例が散見される。SVR後の発癌のリスクファクターは、高齢、男性、線維化進行例とされている。今回我々はIFN治療時66歳で、SVR20年後に発癌した症例を経験したので報告する。 【症例】86歳男性。1993年66歳時腹腔鏡下肝生検にてC型肝硬変と診断され、IFN-α 48週間投与によりSVRとなった。以後もHCV-RNAは持続陰性で、AST・ALTは正常範囲を維持し、血小板も15万以上まで回復していたが、肝細胞癌のスクリーニングのため年2回画像・血液検査を施行していた。2013年1月腹部CTにて肝S8にφ15mm大のSOLを認めた。同部はEOB‐MRIにて早期濃染、肝細胞相でdefectとなりHCCと診断し、TACE目的にて入院となった。入院後TACE施行し、リピオドールCTにて良好なリピオドールの貯留が見られており、今後追加治療としてRFA施行する予定としている。【考察】C型慢性肝炎に対するIFN後の著効例にも肝細胞癌の発症することがあるが、10年以上経過してから発癌した症例は比較的稀である。本症例はHBcAb陰性で、アルコール多飲歴、脂肪肝、肥満、糖尿病、自己免疫性肝疾患は認めずC型肝炎SVR後の発癌と診断した。本症例のように、SVR後長期間経過しても発癌の可能性があり、特に高齢男性の繊維化進行例では長期にわたる経過観察が必要であると考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, C型肝硬変 |