セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F2-2:

全身症状としての肝障害を認めた皮膚筋炎の1剖検例

演者 小幡 翔(一般財団法人住友病院)
共同演者 吉田 有里(一般財団法人住友病院), 常松 日奈子(一般財団法人住友病院), 向井 章(一般財団法人住友病院), 黒川 三佳(一般財団法人住友病院), 岸田 修(一般財団法人住友病院), 山田 晃(一般財団法人住友病院)
抄録 症例は68歳男性。既往歴に特記すべきものなし。2012年10月中旬に頚部痛・咽頭痛にて近医受診。CRP1.3mg/dlと軽度上昇を認めたため、扁桃腺炎を疑って抗生剤投与するも症状は増悪、11月にはAST226U/l、ALT124U/lと肝障害も伴い、CRPも7.23mg/dlとさらに増悪した。食欲低下も認めたため、精査依頼で当科紹介となった。入院時、咽頭発赤強度で、口腔内にカンジダを認め、顎下~頸部に小指大の有痛性リンパ節を触知した。両下肺野にfine crackleを聴取した。右上前腕に浸潤性紅斑を認めた。血液検査では、炎症反応WBC8100/μl、CRP4.87mg/dl、肝機能はAST277U/l、ALT130U/l、ALP1211U/l、GGT337U/lで、ANA(-)、AMA(-)。HAV、HBV、HCV、EBV、CMVによる急性肝炎は否定的であった。以上より入院当初は薬剤性肝障害および薬剤性間質性肺炎を疑ったが、皮膚生検等にて筋症状に乏しいamyopathic typeの皮膚筋炎が疑われ、皮膚筋炎に伴う間質性肺炎の可能性が考えられた。肝障害についても膠原病に随伴している可能性が否定しえなかった。第16病日から間質性肺炎に対してステロイドパルス療法、エンドキサンパルス療法を開始した。胸部Xpの改善とともに肝胆道系酵素も改善したが、間質性肺炎の再増悪とともに、再び上昇した。呼吸状態は急激に悪化し、第70病日に死亡した。剖検所見ではびまん性肺胞障害、肺胞出血を伴う間質性肺炎像を認め、膠原病に続発した間質性肺炎と考えられた。肝は脂肪化を認めるのみで他に著変を認めず、膠原病の全身症状としての肝障害と考えられた。全身性疾患なかでもSLEなどの膠原病では、しばしば肝障害が認められる。皮膚筋炎・多発性筋炎では肝障害を合併することは稀とされているが、剖検や肝生検では、脂肪変性、門脈域の細胞浸潤、血管炎などが報告されている。今回、全身症状としての肝障害を認めた皮膚筋炎の1剖検例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 間質性肺炎, 肺外症状