セッション情報 一般演題

タイトル 26:

魚骨による穿孔性腹膜炎を保存的加療しえた1例

演者 末吉 由佳(独立行政法人 大阪南医療センター)
共同演者 増田 栄治(独立行政法人 大阪南医療センター), 阪上 雅子(独立行政法人 大阪南医療センター), 村田 淳(独立行政法人 大阪南医療センター), 埜中 由梨(独立行政法人 大阪南医療センター), 仲川 環(独立行政法人 大阪南医療センター), 勝部 智也(独立行政法人 大阪南医療センター), 笹川 哲(独立行政法人 大阪南医療センター), 中西 文彦(独立行政法人 大阪南医療センター), 田中 好男(独立行政法人 大阪南医療センター), 肱岡 泰三(独立行政法人 大阪南医療センター)
抄録 【症例】71歳の男性【既往歴】中枢性尿崩症・自己免疫性膵炎・甲状腺がん術後・陳旧性脳梗塞【主訴】腹痛【現病歴】平成25年4月6日 夕食にメバルの煮付けを食べ突然の下腹部痛と腹部膨満感が出現した。体温36.5°C、血圧127/80mmHg、 脈拍61回/分、腹部は板状硬で腹膜刺激症状があり、下腹部に特に強い圧痛 を認めた。血液検査:WBC 7170/mm3、 CRP 0.17mg/dL、Hb 15.5g/dLと炎症反応の上昇は認めなかった。腹部単純X線写真では、小腸ニボー像を認めfree airは認めなかった。腹部CT検査では、小腸の一部壁肥厚があり、その小腸壁に線状のhigh densityな構造物を認めた。その構造物の周囲にごくわずかな腹腔内ガス像が確認された。以上より魚骨による小腸穿孔性腹膜炎を疑ったが炎症反応上昇なく保存的に経過観察する方針とした。【入院後の経過】4月8日WBC 9030/mm3、 CRP 14.59mg/dLと上昇を認めたが腹部症状は改善しており、腹部CTでは魚骨はS状結腸まで進んでおりそのまま保存的に経過をみた。4月12日腹腔内ガス像の消失を確認した後、下部内視鏡検査にて直腸に糞便に埋もれる状態で魚骨を確認しその形状からメバルの顎骨が疑われた。4月15日より経口摂取を再開し4月19日退院となった。【考察】今回、消化管異物による穿孔性腹膜炎をきたすも保存的加療にて経過観察可能であった症例を経験したため若干の文献を含め報告する。
索引用語 魚骨, 腹膜炎