セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y2-4:

アルゴンプラズマ凝固止血後に急激な増大を示した0-1型胃癌の一例

演者 明神 悠太(関西労災病院 消化器内科)
共同演者 柄川 悟志(関西労災病院 消化器内科), 水谷 直揮(関西労災病院 消化器内科), 村井 大毅(関西労災病院 消化器内科), 土居 哲(関西労災病院 消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院 消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院 消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院 消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院 消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院 消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院 消化器内科), 望月 圭(関西労災病院 消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院 消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院 消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院 消化器内科)
抄録 症例は70歳代、男性。糖尿病性腎症にて維持透析を受けており、心筋梗塞、心房細動、下肢閉塞性動脈硬化症のため、ワーファリン、アスピリン、クロピドグレルを内服中であった。2012年3月下肢閉塞性動脈硬化症に対する加療目的で当院入院中に、黒色便およびHb 5.9 g/dlと著明な貧血の進行を認めたため当科紹介受診となった。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃底部に約1cm大の滲出性出血を伴う山田2型ポリープを認めた。出血のためポリープの形態の詳細な観察は不可能であった。アルゴンプラズマ凝固にてポリープ表面を焼灼し止血を得た。止血1週間後の上部消化管内視鏡検査ではポリープは平坦化し、同部位にはびらんを形成しており、生検では悪性所見は認めなかった。1年後の2013年2月、再度黒色便を認め、上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃底部のびらんを形成していた部位に径3cmの不整な0-1型隆起性病変を認めた。生検で低~中分化型腺癌の病理診断であり、0-1型胃癌と診断した。径3cmの低分化型腺癌であるため内視鏡治療適応外と判断した。遠隔転移を認めないため外科的切除を行う予定としている。アルゴンプラズマ凝固止血後急激な増大を示した胃癌の症例を経験した。稀な症例と考え、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃癌, アルゴンプラズマ