セッション情報 一般演題

タイトル 30:

腹腔内出血直後肝動脈塞栓術施行2年以上再出血を来していないC型肝硬変症を伴った肝細胞癌の1例

演者 西内 明子(笹生病院内科)
共同演者 安東 まや(笹生病院内科), 笹生 幹夫(笹生病院内科)
抄録 症例は70歳代女性。既往歴:63歳気管支喘息。2002/7/25(69歳)に右頭部打撲、8/11に痙攣、急性硬膜下血腫(左)血腫除去術施行。現病歴:2002/8/21脳外科退院後、脳梗塞も合併、C型肝硬変症に伴う肝性脳症も判明、肝外来初診。以後アミノレバンの経口投与にて外来経過観察。脳梗塞には抗血小板薬服用。2004/10/8に画像検査で肝細胞癌(以下HCC)の出現を診断したが、家族は治療希望せず、経過観察中、2011/2/23朝自宅で倒れ、血圧64/41mmHgのショック状態にて緊急入院。入院時検査成績はT.Bil0.6mg/dl、AST29IU/l、ALT11IU/l、腹部CTの画像検査でHCCの腹腔内出血と診断して、その日の午後に肝動脈塞栓術(以下TAE)施行。同時に輸血2単位施行。2/25にはT.Bil0.9mg/dl、AST1748IU/l、ALT140IU/l、T.P6.4g/dl, NH3は27であった。pivkaは3907MAU/mlから3/15には222MAU/mlに低下した。3/4に腹部CTではTAEの治療効果良好であり、3/23に退院した。3/29に痙攣発作と高アンモニア血症も伴い緊急入院、4/18から抗てんかん薬使用後、4/20に退院した。以後月に1~2回の痙攣発作あり、ジアゼパム5mgのみ家族が服用にて経過、2012/12/22には痙攣が軽快せず7日間入院。以後も腹痛や貧血の増強もなく、外来にて経過観察中である。【結語】C型肝硬変症に伴う肝細胞癌から腹腔内出血を来たし、直後にTAE施行、以後再出血を2年以上来していなく、極めて稀な症例であり報告した。
索引用語 腹腔内出血, 肝細胞癌