セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y1-1:熱傷性食道潰瘍の2例 |
演者 | 青木 領太(医療法人川崎病院 消化器内科) |
共同演者 | 田中 さゆり(医療法人川崎病院 消化器内科), 西田 悠(医療法人川崎病院 消化器内科), 竹内 庸浩(医療法人川崎病院 消化器内科), 野村 祐介(医療法人川崎病院 消化器内科), 多田 秀敏(医療法人川崎病院 消化器内科), 前田 哲男(医療法人川崎病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】食道潰瘍の原因としては逆流性食道炎の頻度が高いが、熱傷性食道潰瘍の報告は比較的まれである。今回、我々は熱傷による食道潰瘍の2例を経験したので報告する。【症例1】35歳、男性。2012年12月神戸ルミナリエで熱いはしまきを食べた後、胸やけ症状が出現し持続するため受診。PPI、アルミニウム製剤内服を開始したが症状改善しないため、第12病日上部消化管内視鏡検査を施行した。門歯列より25cmの上部食道からEGjunctionにかけて深い縦走潰瘍を認めた。食道破裂を疑い施行した胸部CT検査では縦隔内気腫および膿瘍形成は認めなかった。PPI、アルミニウム製剤内服を継続し、第40病日内視鏡検査再検したところ食道潰瘍は著明に改善を認めた。【症例2】35歳、女性。2013年3月昼食後に吐血あり、様子をみていたが2日後に再度吐血あり受診し緊急入院となった。同日施行した上部消化管内視鏡検査で門歯列より20cmの上部食道からEGjunctionの直上まで食道後右側に裂創を形成し、血腫を認めた。食道破裂を疑い施行した胸部CT検査では縦隔内気腫および膿瘍形成はなく、血液検査でも特記すべき異常所見はなかった。絶食、補液、PPIおよびアルミニウム製剤内服を開始した。病歴聴取にて日常的に熱い味噌汁やコーヒーを一度に飲み干す習慣があることが判明した。第5病日に内視鏡検査を再検したところ血腫は消失しており同部位に広範な潰瘍形成を認めた。内服薬を継続し、経口摂取を開始した。第9病日退院とし外来通院中である。【考察】自験例では熱いはしまき、熱い飲料の嚥下による熱傷が原因で食道潰瘍、食道内血腫を発症したものと考えられた。前胸部痛の原因の1つとして食道熱傷を念頭において検査・治療を行う必要があると考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 熱傷, 食道潰瘍 |