セッション情報 シンポジウム1 「ウイルス性肝炎治療の最前線」

タイトル S1-12:

C型慢性肝炎に対するPeg-IFNα2b/Ribavirin/Telaprevir併用療法における腎障害および高尿酸血症に関する検討

演者 澤井 良之(市立池田病院 消化器内科)
共同演者 福田 和人(市立池田病院 消化器内科), 松本 康史(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するPegIFN/RBV/TVR併用療法における腎障害および高尿酸血症について前向きに検討した。【方法】3剤併用療法を行った1型C型慢性肝炎26例(RNA量5.2-7.6LogIU/mL)を対象とした。男性11例,年齢は中央値66(31-71)歳。TVR開始量は2250mg16例,1500mg10例。3剤導入前,3日,1,2,4w後の血中Cre(S-Cr), 尿酸(S-UA), シスタチンC(S-Cys), NAG(S-NAG), eGFR,また蓄尿を行い尿中Cre(U-Cr), 尿酸(U-UA), BMG(U-BMG), NAG(U-NAG), CCr, 尿酸クリアランス(CUA)を算出した。また3日,1wの血中TVR濃度も測定した。【結果】1)S-Cr, S-Cysは3日後から治療前に比し有意に上昇し,その上昇は4wまで持続した。 CCr, eGFR, eGFRcysも3日後より有意に低下し,その低下は4wまで持続した。3日,1w後の血中TVR濃度, TVR/kg開始量は3日後および1w後のS-Cr, S-Cysの治療開始前からの上昇値と強い正の相関を示した(1wTVR血中濃度vs.1wS-Cys上昇値, r=0.74,P<0.001)。TVR/kg開始量と1wまでのeGFRの低下値には強い負の相関がみられた(r=-0.66,P<0.001)。TVR用量依存性のeGFRの低下およびS-Cr, S-Cysの上昇が示された。2)S-UAも3日後有意に上昇し, 4wまで有意な上昇は持続した。CUAは3日後から4wまで有意に低下した。また1w後の血中TVR濃度と1wまでのS-UA上昇値には弱い正の相関がみられ, TVRに伴う糸球体濾過量低下によるCUAの低下とS-UAの上昇が示唆された。一方, 尿中Cr排泄量は治療開始後低下傾向を示したが, 尿中UA排泄量は3日,1wで前値に比し有意に増加し, UAの産生増加が示唆された。3剤併用療法におけるS-UAの上昇には, 腎でのクリアランスに低下とともに産生の増加も関与していることが示された。3)U-BMG,U-NAGは3日,1w後から有意に上昇し4wまでその上昇は持続し, 尿細管機能障害の存在が示唆された。【考察・結論】3剤併用療法における早期のS-Cr, S-UAの上昇はTVR用量依存性の糸球体濾過量低下により発現すると考えられたが, S-UAの上昇には産生の増加も一因となっており,さらに尿細管機能障害の関与も考えられた。
索引用語 Telaprevir, 腎障害