セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F5-2:膵腫瘍と鑑別を要しEUS-FNAで診断し得た結核性リンパ節炎の一例 |
演者 | 木村 明恵(大阪市立総合医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 山崎 智朗(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 山村 匡史(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 小田桐 直志(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 若原 佑平(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 平松 慎介(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 末包 剛久(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 佐野 弘治(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 佐々木 英二(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 根引 浩子(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 佐藤 博之(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 中井 隆志(大阪市立総合医療センター 肝臓内科), 川崎 靖子(大阪市立総合医療センター 肝臓内科), 木岡 清英(大阪市立総合医療センター 肝臓内科) |
抄録 | 症例は63歳 女性.慢性関節リウマチ,CREST症候群にて当院腎臓内科通院中.体重減少と軽度の肝機能障害があり,腹部エコーと腹部CTを施行したところ,肝臓には異常所見はなかったが膵鉤部腫瘍と大動脈周囲のリンパ節腫大が疑われたため,精査目的に当科紹介となった.ダイナミックCTでは主膵管の拡張は認めず,膵鉤部に1cm大の造影効果の乏しい腫瘤を認め,左胃動脈幹,大動脈周囲,膵頭下部背側に内部吸収値不均一のリンパ節腫大を認めた.PET/CTでは膵鉤部に径1cm大のFDG集積を認め,膵レベルの大動脈―下大静脈間・胃小彎側にFDG集積を認めた.以上の画像所見から膵癌およびそのリンパ節転移が疑われた.EUSでは膵鉤部近傍に1cm強の低エコー腫瘤を認めたが,膵実質との間に境界があり,膵鉤部に接した膵外のリンパ節と診断した.また,膵周囲・大動脈近傍にも1-2cm大のリンパ節腫大を多数認めた.膵鉤部近傍の腫瘤ならびに腹腔内のリンパ節腫大に対してEUS-FNAを施行したところ,いずれも悪性所見を認めず,組織球や類上皮肉芽腫性変化を認めた.結核性リンパ節炎が疑われたため,QuantiFERON TB-3G検査を行ったところ陽性であった.結核性リンパ節炎と診断し,INH,RFP,PZA,EBによる抗結核治療を開始したところ,5ヵ月後のPET/CTで膵鉤部・大動脈周リンパ節への異常集積は消失した.エコー・CT・PETでは膵癌ならびにリンパ節転移が疑われたもののEUS画像およびEUS-FNAにより結核性リンパ節炎と診断でき抗結核治療が奏功した貴重な症例を経験した.文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 膵腫瘍, 結核 |