セッション情報 | シンポジウム1 「ウイルス性肝炎治療の最前線」 |
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タイトル | S1-05:当院における高齢者の1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対するPeg-IFN+Rib療法の治療成績 |
演者 | 濱野 美奈(大阪厚生年金病院 内科) |
共同演者 | 日下部 瑛(大阪厚生年金病院 内科), 曽我 彩子(大阪厚生年金病院 内科), 加藤 幹那(大阪厚生年金病院 内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院 内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院 内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院 内科), 村井 一裕(大阪厚生年金病院 内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院 内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院 内科), 河合 知代(大阪厚生年金病院 内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院 内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院 内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院 内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院 内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院 内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院 内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院 内科) |
抄録 | 【目的】C型慢性肝炎における抗ウイルス療法は標準化され広く認知されているが、高齢者や線維化進展例においては治療導入に際し明確なコンセンサスは確立されていない。今回我々は、高齢者の1型高ウイルス量C型慢性肝炎の治療効果に関与する因子の解析を試みた。【方法】当院で2008年4月から2011年9月までに1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対してPeg-IFN+Rib療法を導入した全82症例中、ガイドラインで高齢者とされる66歳以上の22症例を対象とし解析を行った。【成績】平均年齢は69.2歳であり、22症例の治療成績は(SVR/PR/NR=9/11/2)であった。22症例中6例が中止となり、中止理由はNR症例1例、PR症例で治療開始24週時点でウイルスが陰転化しなかった2例、著明な全身倦怠感を呈した3例であった。SVR群とnon-SVR群とで性別や年齢、組織学的評価に有意差は認めなかった。血液学的検索では血小板数のみSVR群とnon-SVR群とで有意差を認めた。SVR群では全例において治療開始4週時点で2log IU/mL以上のHCV-RNA量の減少を認め、且つ、9例中8例において治療開始12週時点でHCV-RNA陰性(EVR)を達成した。一方、non-SVR群では13例中9例において治療開始4週時点で2log IU/mL以上のHCV-RNA量の減少を認め、13例中11例においてpEVRを認めたが、EVR達成は0例であった。また、PR症例のうち治療を完遂した6例中5例はLVR症例で治療終了後に再燃を認めた。【結論】今回の検討では、Peg-IFN+Rib療法は高齢者の1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対してもSVR率40%程度と一定の効果が期待できる結果であった。また、70歳以上の症例が全22症例中7例含まれており、その治療成績は(SVR/PR/NR=4/3/0)と良好であった。SVRを得るためには治療導入に際し、血小板数が症例選択の一助となる可能性が示唆された。また、PR群においてもpEVR率は非常に高く、高齢者であっても治療に対する容認性は高いと考えられた。更なる治療効果を期待するためにも、今後、新規プロテアーゼインヒビターを加えた三剤併用療法への適応も視野に入れ多数症例での検討が必要である。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, 高齢者 |