セッション情報 一般演題

タイトル 1:

気道閉塞を来した食道アカラシアの1例

演者 佐藤 克彦(大阪警察病院 内科)
共同演者 山口 真二郎(大阪警察病院 内科), 上間 遼太郎(大阪警察病院 内科), 姫野 愛子(大阪警察病院 内科), 妻野 恵理(大阪警察病院 内科), 占部 真貴子(大阪警察病院 内科), 堀江 真以(大阪警察病院 内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院 内科), 景山 宏之(大阪警察病院 内科), 宇田 創(大阪警察病院 内科), 村田 真衣子(大阪警察病院 内科), 宮竹 英希(大阪警察病院 内科), 水谷 昌代(大阪警察病院 内科), 岡田 章良(大阪警察病院 内科), 渡瀬 淳一郎(大阪警察病院 救命救急科), 河相 直樹(大阪警察病院 内科), 尾下 正秀(大阪警察病院 内科)
抄録 【症例】54才、女性【主訴】呼吸困難感【現病歴】20歳頃より摂食時のつかえ感および呼吸困難感を自覚していたが、数分間で症状が改善していた。2009年、摂食時により強い呼吸困難感を数回認め、近医受診し、食道アカラシアの可能性を指摘されたが、放置していた。2012年9月初旬、食後に呼吸困難感が出現し、顔面蒼白となったため、当院に救急搬送された。【来院後経過】来院時はバッグバルブマスク (酸素10L/min)でSpO2 92%、意識レベルもJCS II-30と低下した状態であった。聴診上、頸部で喘鳴を著明に聴取し、呼吸補助筋を最大限に用いており、病歴と併せて上気道閉塞を疑った。血液ガス分析で、補助換気下にもかかわらずアシドーシス(PH 7.155、pO2 188 mmHg、pCO2 46.9mmHg、B.E -12.4mmol/L)を認めたため、気管挿管を行った。喉頭鏡、胸腹部CTともに気管内に誤嚥を示唆する残渣は指摘できなかった。CTで食道の著明な拡張と残渣貯留を認め、食道アカラシアによる窒息が疑われた。第3病日に上部消化管内視鏡を施行したところ、食道胃接合部に通過障害を来たすような腫瘍性病変は認めず、著明に拡張した食道内に残渣の貯留あり、内視鏡にて残渣を除去した後、第5病日に抜管となった。第9病日に食道造影を行い、食道アカラシア(Sigmoid Type、grade 2)と診断した。第12、17、20病日にバルーン拡張術を施行し、造影剤の通過は良好となった。食事開始後もつかえ感や呼吸困難感は認めず、第27病日に退院となった。【考察】食道と気管は解剖学的に近接しており、食道アカラシアの重症例では拡張した食道が気道を閉塞する場合がある。今回、食道アカラシアにより気道閉塞に至った1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道アカラシア, 気道閉塞