セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-5:

メサラジン投与再開後急激に症状の増悪をきたした重症潰瘍性大腸炎の一例

演者 堀田 将志(市立伊丹病院 内科)
共同演者 橿原 優子(市立伊丹病院 消化器内科), 大内 祥平(市立伊丹病院 消化器内科), 小山  秀和(市立伊丹病院 消化器内科), 三浦  由雄(市立伊丹病院 消化器内科), 山口  典高(市立伊丹病院 消化器内科), 明田 寛史(市立伊丹病院 消化器内科), 荻山  秀治(市立伊丹病院 消化器内科), 堀木  優志(市立伊丹病院 消化器内科), 佐野村  珠奈(市立伊丹病院 消化器内科), 佐治  雪子(市立伊丹病院 消化器内科), 村山  洋子(市立伊丹病院 消化器内科), 筒井  秀作(市立伊丹病院 消化器内科)
抄録 【症例】40歳 男性。【主訴】血便・腹痛・水様性下痢【既往歴・家族歴】特記事項なし。【現病歴】200X年夏頃に左側大腸炎型潰瘍性大腸炎を発症。メサラジン投与開始後血便・腹痛・下痢(10行以上/日)が増加し、Predonisolone(PSL) 30mg/dayへ変更。症状の改善を認めた。メサラジン脱感作療法を62.5mgから開始し325mgへ増量数日後に再度症状の悪化を認めたため、入院加療となった。【入院後経過】血性下痢(10行以上/日)に加え、発熱、腹痛も伴い、血液検査では、WBC 13900/μl、RBC 462X104/μl、Hb 13.4g/dl、Plt 48.2 X104/μl、CRP 9.63mg/dl、ESR 70mm/1h、C7-HRP(-)であった。大腸内視鏡検査では、横行結腸からS状結腸にかけて出血を伴った潰瘍をほぼ全周性に認め、わずかに残存粘膜が存在し、Matts grade 4相当であった。なお粘膜CMV-DNAは陰性であった。PSL70mg/day、GCAP週2回を併用、PSLを漸減し、Cyclosporin A 持続静注(200mg/day)を開始後、徐々に症状の改善、CRPの陰性化を認め、退院の運びとなった。現在、PSL5mg、Azathioprine(75mg)にて経過良好である。 【考察】本症例は、メサラジン投与開始後に下痢や血便などの症状の増悪を呈し、メサラジンアレルギーが疑われた。メサラジンアレルギーは、潰瘍性大腸炎の増悪と類似した症状を引き起こすことがあり、加療中に症状が増悪した場合には、メサラジンアレルギーの可能性も念頭におく必要性がある。
索引用語 メサラジン, 潰瘍性大腸炎