セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F1-4:

TS-1/CDDP併用化学療法にて腫瘍崩壊を起こしたAFP産生胃癌の一例

演者 芦名 茂人(六甲アイランド甲南病院 内科)
共同演者 大森 靖弘(六甲アイランド甲南病院 内科), 岡 亜希子(六甲アイランド甲南病院 内科), 芳野 啓(六甲アイランド甲南病院 内科), 上田 舞(六甲アイランド甲南病院 内科), 小畠 寛子(六甲アイランド甲南病院 内科), 高見 柚賀子(六甲アイランド甲南病院 内科), 東内 雄亮(六甲アイランド甲南病院 内科), 谷尻 力(六甲アイランド甲南病院 内科), 土橋 大輔(六甲アイランド甲南病院 内科), 肥後 里実(六甲アイランド甲南病院 内科), 西岡 千晴(六甲アイランド甲南病院 内科), 山田 浩幸(六甲アイランド甲南病院 内科), 北垣 一成(六甲アイランド甲南病院 内科)
抄録 症例は73歳、男性。平成24年4月より食欲低下・上腹部痛・下肢浮腫が見られるようになった。当院で上部消化管内視鏡を行ったところ胃前庭部前壁に3型腫瘍を認め、生検により高分化型腺癌と診断された。腹部CTで多発肝腫瘍を認めたため、胃癌・多発肝転移の診断にて当科入院となった。血清AFP 334 ng/dlと上昇しており、生検組織でのAFP免疫染色が陽性であることから、AFP産生胃癌・多発肝転移と診断した。HER2免疫染色は陰性であり、化学療法としてはSP療法(TS-1 80mg/m 2 1-21日目+CDDP 60mg/m2 8日目)を選択した。治療開始前のCCrが60-70ml/minとやや低値であり、低アルブミン血症(2.6 g/dl)も見られたため、十分なハイドレーションを行ったうえで第1クール8日目にCDDPを投与した。9日目の採血では著変認めなかったが、10日目より発熱あり、11日目の採血で肝胆道系酵素・CRPの上昇を認めたことから胆管炎併発を疑い抗生剤を開始した。またCrの上昇も認めたためTS-1を中止した。13日目にCEAが治療前の298 ng/mlから3663 ng/mlに急上昇していることが判明し、全身倦怠感・食欲低下も著明であったため化学療法続行は困難と考えられた。しかし29日目の腹部造影CTで転移性肝腫瘍は軽度縮小にとどまっているものの、腫瘍内部がlow densityに変化しており壊死していると考えられた。35日目にはCEAが665 ng/mlと低下しており、CEAの急激な上昇は腫瘍増大によるものではなく、腫瘍崩壊による一過性の上昇と考えられた。その後は全身状態も改善したためTS-1単剤にて治療を継続している。AFP産生胃癌は化学療法の感受性が良いが、腫瘍崩壊症候群(TLS)のリスクが高いとは考えられていない。本症例ではSP療法により腫瘍崩壊がおこったが、CDDP投与前に十分なハイドレーションを行っていたため、Clinical TLSを予防できたと考えられた。固形癌で腫瘍崩壊をおこすことはまれであり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 AFP産生胃癌, 腫瘍崩壊