セッション情報 |
シンポジウム1 「ウイルス性肝炎治療の最前線」
|
タイトル |
S1-07:ペグインターフェロン・リバビリン・プロテアーゼ阻害薬による三剤併用療法の成績と背景因子の検討
|
演者 |
高嶋 智之(兵庫医科大学 内科学 肝・胆・膵科) |
共同演者 |
楊 和典(兵庫医科大学 内科学 肝・胆・膵科), 榎本 平之(兵庫医科大学 内科学 肝・胆・膵科), 西口 修平(兵庫医科大学 内科学 肝・胆・膵科) |
抄録 |
【目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者に対するこれまでの標準治療であるペグインターフェロン(PegIFN)とリバビリン(RBV)の併用療法に加え、近年ではプロテアーゼ阻害薬を併用することで更なる治療効果の改善が見込まれている。特に第二世代のプロテアーゼ阻害薬は認容性に優れた強力な治療になることが期待されている。【方法】当科でPegIFN/RBVと第二世代を含むプロテアーゼ阻害薬による3剤併用療法を施行した69症例(平均年齢56.8歳、男性27例/女性42例)について、その治療効果を年齢、IL28Bの遺伝子多型、コア70番アミノ酸変異の有無を含めて解析した。【成績】全体では43/69 (62.3%)でウイルス学的著効(SVR)が得られた。65歳以下の症例の検討ではIL28B がTTのmajor homo 症例では 27/30 (90%)と高率にSVRが達成された。またIL28B non-TTのhetro/minorの症例ではcore 70番アミノ酸が野生型の場合は6/11(54.5%)でSVRとなったが、変異型の場合は 7/18(38.9%)に留まった。一方66歳以上の症例での検討では、IL28B がTTのmajor homo 症例でもSVRは 3/6 (50%)に留まり、IL28B non-TTのhetro/minorの症例ではcore 70番アミノ酸変異の有無にかかわらず0/4/ (0%)と全例がnon-SVRであった。【まとめ】3剤併用療法によってSVR率は上昇し、特に65歳以下ではIL28Bがmajor homo症例で優れた成績であった。しかしながらIL28Bがnon-TTで、特にcore70番変異の症例での治療成績は不十分であった。また66歳以上の症例ではIL28Bがmajor homoであってもSVRは半分に留まり、non-TTではSVRは得られず成績には年齢の要素も大きいと考えられた。【結論】3剤併用療法の成績は良好であるが、2剤併用と同様に依然その施行にあたっては年齢、IL28Bの遺伝子多型、core70番アミノ酸変異等の背景因子の検討が重要と考えられた。 |
索引用語 |
C型慢性肝炎, 年齢 |