セッション情報 一般演題

タイトル 16:

成人に発症した特発性腸重積症の1例

演者 小山 真揮枝(公立学校共済組合 近畿中央病院 臨床研修医)
共同演者 三木 貴夫(公立学校共済組合 近畿中央病院 臨床研修医)
抄録 【症例】52歳男性【主訴】心窩部痛【既往歴】なし【現病歴】2013年4月16日、夜間から周期的な腹痛が出現し明け方より嘔吐症状も伴うようになった。その後も症状が増悪傾向を示したため当院へ救急搬送となった。【現症】血圧135/85mmHg、脈拍70回/分、体温36.4度、腹部平坦・軟・心窩部に圧痛あり・筋性防御なし・反跳痛なし【検査所見】血液検査では軽度CRP上昇のみであった。腹部エコー・腹部CT共に肝彎曲部にtarget signを認めた。【経過】臨床症状及び画像所見より腸重積を疑い当院入院となった。同日、下部消化管内視鏡検査実施し、肝彎曲部に上行結腸から横行結腸に重積した腸管を認め内視鏡的な整復術を行った。その後、絶食・補液のみで症状再燃なく経過した。4月22日、下部消化管内視鏡再検するも軽度粘膜発赤のみでその他の異常所見を認めなかった。重積していたと考えられる発赤を伴う粘膜より生検実施したが、粘膜内出血と軽度の炎症細胞浸潤のみで特異的な所見は認められなかった。重積の先進部となるような器質的病変は認められず、特発性腸重積症と考えられた。【結語】成人発症の腸重積は器質的疾患に起因することが多く、本症例のような特発性腸重積は極めて稀な疾患であり、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腸重積, 腹痛