セッション情報 一般演題

タイトル 28:

前治療(PEG-IFN+RBV)にて著効が得られなかったC型慢性肝炎、2型高ウイルスに対する再治療に活性型ビタミンD3製剤を併用し著効が得られた2症例の検討

演者 石原 朗雄(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科)
共同演者 大川 和良(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 木村 治紀(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 末吉 弘尚(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 高田 良司(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 山井 琢陽(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 福武 信康(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 蘆田 玲子(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 榊原 充(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 今中 和穗(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 井岡 達也(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 上原 宏之(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 松永 隆(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科)
抄録 【背景】1型高ウイルスのC型慢性肝炎に対してPEG‐IFN+RBV治療に活性型ビタミンD3製剤を併用することでSVR率が上昇することが近年報告されている。今回、我々は前治療(PEG-IFN+RBV 48週)にてSVRが得られなかったC型慢性肝炎2型高ウイルス患者に対して再治療時にPEG-IFN+RBVに活性型ビタミンD3製剤を併用することでSVRを得られた2症例を経験した。【症例】<症例1>69歳女性、2型高ウイルス。2008年4月よりPEG‐IFNα2b+RBV 48週治療をおこなうも治療中にウイルスは間歇的に検出され、NVRと診断した。2011年4月よりPEG‐IFNα2a+RBV+活性型ビタミンD3製剤3者併用治療を48週施行したところ、ウイルスは8週で陰性化し、その後SVRが得られた。<症例2>71歳女性、2型高ウイルス。2009年2月よりPEG‐IFNα2b+RBV 48週治療をおこなうも治療後にrelapseがみられた。2011年8月よりPEG‐IFNα2a+RBV+活性型ビタミンD3製剤3者併用治療を開始したところ、ウイルスは4週で陰性化した。治療経過中、胸部CTにて間質性肺炎は認めなかったが、呼吸困難感およびKL-6の上昇を認め33週で治療を終了。最終的にはSVRが得られた。【結論】C型慢性肝炎2型高ウイルス症例においてはPEG‐IFN+RBV併用24週治療が推奨されており、80~90%のSVR率が得られている。今後non SVR症例に対する再治療ではプロテアーゼ阻害剤などの新規DAAを用いた治療が期待されている。今回我々は2型高ウイルス症例の再治療にPEG‐IFN+RBVに加えて活性型ビタミンD3製剤を併用することでSVRを得られた2症例を経験し、プロテアーゼ阻害剤が併用可能になるまでの有効な治療法となりうる可能性が示唆された。
索引用語 C型肝炎, ビタミンD