セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y4-2:

タクロリムス・プレドニゾロンの服用中にCrohn病を合併した、糸球体腎炎の1例

演者 村井 克行(済生会滋賀県病院 消化器科)
共同演者 岡島 達也(済生会滋賀県病院 消化器科), 古田 光寛(済生会滋賀県病院 消化器科), 松本 寛史(済生会滋賀県病院 消化器科), 片山 政伸(済生会滋賀県病院 消化器科), 田中 基夫(済生会滋賀県病院 消化器科), 重松 忠(済生会滋賀県病院 消化器科), 馬場 正道(済生会滋賀県病院 病理診断科), 加藤 元一(済生会滋賀県病院 病理診断科)
抄録 症例は40歳代女性。慢性糸球体腎炎に対してタクロリムス3mg/day・プレドニゾロン5mg/day(隔日)を服用中であった。某年某月より腹痛・下痢を認め当科受診。下部消化管内視鏡検査で下行結腸に狭窄を伴う縦走潰瘍を認め、注腸造影検査では同部位と横行結腸に狭窄像を認めた。病理学的には特異的な所見は認めなかったが、上部消化管内視鏡検査で胃に竹の節様変化を認め、Crohn病と診断した。メサラジン4000mg/day・成分栄養剤による経腸栄養療法により加療を開始したが症状は改善を認めず、第11病日よりアダリムマブを開始した。投与開始3日後に症状は改善傾向を認めたものの、血圧低下、頻脈、高カリウム血症、低ナトリウム血症を認めた。下痢による腸管からのステロイドの吸収障害が原因と思われる副腎不全と診断し、ヒドロコルチゾンを開始した。その後は症状の再燃を認めず経過良好であり、第34病日に退院となった。現在はアダリムマブとメサラジンにより外来加療中である。外来にて注腸造影検査を施行したが、依然下行結腸の狭窄は残存している。潰瘍性大腸炎の治療薬でもあるタクロリムス、プレドニゾロンを服用中に発症したCrohn病の報告例は見られず、文献的考察を加え報告する。
索引用語 Crohn病, 慢性糸球体腎炎