セッション情報 一般演題

タイトル 23:

腸管子宮内膜症による腸閉塞の一例

演者 遠藤 雄基(康生会武田病院)
共同演者 眞鍋 繁雄(康生会武田病院), 山口 琢(康生会武田病院), 松山 竜三(康生会武田病院), 平田 育広(康生会武田病院), 中部 奈美(康生会武田病院), 高橋 周史(康生会武田病院)
抄録 【症例】37歳女性【主訴】:嘔吐、便秘【現病歴】平成23年10月の月経開始後に初発の腸閉塞で当院入院となる。腹部CTにて回腸末端が閉塞起点と考えられた。イレウスチューブ留置後、翌日には症状改善し退院とした。平成24年8月の月経開始後、イレウス症状で他院へ入院した。その時も回腸末端の壁肥厚を指摘され、イレウスチューブ留置後壁肥厚改善、産婦人科併診にて子宮内膜症の指摘はなく10日間で退院となった。平成24年11月16日の月経3日目に腹痛、嘔吐があり、当院緊急入院となる。入院後、保存的に加療を開始したが症状遷延しており、病歴より再度腸管子宮内膜症を疑い第5病日に下腹部MRIを行なったが腸管子宮内膜症の所見は認めなかった。病歴よりやはり腸間子宮内膜症を疑い、整復と診断目的で第6病日に腹腔鏡手術を施行した。腹腔鏡下に回腸末端部に漿膜、腸間膜の引き連れを認め同部に発赤を伴う病変を認めた。回腸はここより口側で拡張しておりこの病変がイレウスの原因と考えられ回腸部分切除が行われた。虫垂先端もやや固く切除が行われた。手術後経過は良好で第16病日に退院とした。病理組織診断は腸管子宮内膜症であった。現在は婦人科を定期受診されており再発は認めていない。【考察】腸管子宮内膜症による腸閉塞の診断としてはCT、MRI、内視鏡検査が有用である。今回は患者の病歴から腸管内膜症が最も疑われたが術前の検査ではどれも診断にはいたらず、外科切除を施術し病理診断で初めて診断することができた症例であった。
索引用語 腸管子宮内膜症, 腸閉塞