セッション情報 パネルディスカッション2 「根治治療不能進行消化器がんに対する治療選択」

タイトル P2-07:

切除不能肝細胞癌に対するネクサバール血中濃度モニタリング

演者 塩谷 淳(滋賀医科大学 消化器内科)
共同演者 西村 貴士(滋賀医科大学 消化器内科), 藤山 佳秀(滋賀医科大学 消化器内科)
抄録 【目的】切除不能肝細胞癌に対するソラフェニブ開始投与量を全例800mgとするべきかについては、いまだ議論がある。75歳以上の進行肝癌の日本人高齢者では、800mgで投与開始した場合、76歳未満の患者と比べて副作用が多く、治療中止の割合が高いことが報告されている。ソラフェニブ投与症例において、血中濃度をモニタリングし、副作用や治療効果との相関関係を調べた。【方法】30日以上ソラフェニブ投与が可能であった切除不能肝細胞癌7例および肝類上皮血管内皮腫1症例において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にて血中濃度を測定し、年齢、体表面積、治療反応性、有害事象との相関を調べた。血中濃度測定時期は外来受診時、次のsorafenib内服前とした。【成績】年齢および体表面積別によるソラフェニブ血中濃度に有意差は認めなかった。治療効果別(CRかPR , SD, PD)のネクサバール血中濃度でも明らかな有意差は認めないものの、PD症例ではソラフェニブ血中濃度がやや低い傾向が認められた。また、有害事象発現時のソラフェニブ血中濃度は非発現時と比較し高い傾向があった。また、200mgから400mgの投与量でも有効な血中濃度が得られている症例が存在した。【結論】 ソラフェニブ血中濃度モニタリングによって、患者個人に合わせた用量調節ができる可能性がある。
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ