セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-6:

アルコール性肝硬変、肝細胞癌に合併した両側乳癌の1例

演者 山口 智裕(医仁会 武田総合病院 消化器センター)
共同演者 柏 敦文(医仁会 武田総合病院 消化器センター), 松山 希一(医仁会 武田総合病院 消化器センター), 滝本 見吾(医仁会 武田総合病院 消化器センター), 藤永 陽介(医仁会 武田総合病院 消化器センター), 玉置 大(医仁会 武田総合病院 消化器センター), 上田 智大(医仁会 武田総合病院 消化器センター)
抄録 【緒言】肝硬変の合併症として女性化乳房がある.結節をともなった両側乳房腫大をきたした男性1例を経験したので報告する.【症例】79歳男性【現病歴】アルコール性肝硬変(Child-Pugh C), 多発肝細胞癌にて通院加療中であった. 2012年10月下旬より左乳房腫大を自覚していた. 12月初旬に左側腹部痛が出現し改善しないために当院を受診した. 身体所見では左側腹部痛と両側乳房腫大と弾性硬の腫瘤を触知した. 腹部超音波検査, 腹部CT検査にて左副腎に内部不均一な10cmの腫瘤性病変を認め, 肝細胞癌の副腎転移内出血の診断で入院となった.【入院後経過】貧血の進行なく左副腎転移内出血については鎮痛剤投与で保存的加療を行い症状の改善を認めた. 精査目的に行った造影CT検査で両側乳房腫大と乳腺内に早期濃染を呈する複数の結節を認めた. 超音波検査では右側乳腺に21.7×14.7mm, 左側乳腺に72.4×50mmの腫瘤を認め, ともに内部に拍動性血流を認めた. 肝細胞癌の乳腺転移を疑い両側乳腺の腫瘍生検を施行した. 病理結果はともにPapillary carcinoma ER陰性 PgR弱陽性 HER2陰性で原発性乳癌と診断された. その後病状に改善を認めず、永眠された.【結語】肝硬変に合併した男性の両側乳癌を経験した.肝硬変に合併した乳癌の報告は散見されるも男性の両側乳癌は検索した範囲内に報告なくきわめて稀な症例と考えられた.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 肝細胞癌, 乳癌