セッション情報 一般演題

タイトル 35:

中部胆管原発の癌肉腫の1例

演者 久米井 伸介(IHI播磨病院 内科DELIMITERIHI相生事業所 診療所)
共同演者 大西 裕(IHI播磨病院 内科), 廣瀬 精久(IHI播磨病院 内科), 森本 大樹(IHI播磨病院 外科), 小倉 武司(IHI播磨病院 内科), 楠本 長正(IHI播磨病院 外科), 前田 光雄(IHI播磨病院 内科)
抄録 【症例】70歳代女性【主訴】心窩部痛,黄疸【既往歴】胆石胆嚢炎で約10年前に腹腔鏡下胆嚢摘出術【現病歴】20××年1月下旬,持続する心窩部痛と黄疸を主訴に当院を受診された.【経過】血液検査で閉塞性黄疸の所見を呈しており,MRCPで中部胆管に結石様の欠損域を認め,上部胆管及び肝内胆管の拡張を認めた.内視鏡的逆行性胆管造影(endoscopic retrograde cholangiography;ERC)では,中部胆管を埋め尽くすように25×14mm大の辺縁平滑な楕円形の透亮像を認め,造影CTでは同部位は早期相で強く濃染した.内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(endoscopic retrograde biliary drainage:ERBD)で減黄を図るとともに,ERCによる胆管生検を行ったところ中部胆管癌との診断であったため,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.摘出標本では中部胆管を中心に65×35 mm大の乳頭膨張型腫瘍を認めた.病理組織学的には紡錘形の核をもつ腫瘍細胞が束状に増生し,一部に腺管形成が認められ,肉腫成分と腺癌成分の移行部が確認できた.免疫組織学的検討では肉腫成分にもCK7やAE1/AE3などの上皮マーカーに陽性を示し,癌肉腫と診断した.術後経過は良好であり,術後第25病日に退院となった.現在外来で再発に注意しながら経過観察中である.【考察】中部胆管原発の癌肉腫の稀な一例を経験したので報告する.
索引用語 癌肉腫, 胆管