セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y2-3:内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にて切除した胃底腺型胃癌の一例 |
演者 | 柳井 理恵子(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学) |
共同演者 | 大南 雅揮(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 福永 周生(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 丸山 紘嗣(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 加藤 邦洋(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 岡本 純一(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 永見 康明(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 杉森 聖司(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 十河 光栄(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 谷川 徹也 (大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 山上 博一(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 斯波 将次(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 渡辺 憲治(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 渡辺 俊雄(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 藤原 靖弘(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大学大学院 医学研究科 消化器内科学) |
抄録 | 症例は80歳代男性。既往歴、家族歴に特記事項を認めず。2012年9月に食思不振にて前医で上部消化管内視鏡検査をしたところ、胃底部大弯に病変を指摘された。同部位からの生検にて高分化管状腺癌(Group 4)が疑われたため、精査加療目的にて当院に紹介となった。病変は8mm大のわずかに隆起した境界不明瞭な褪色域として認められた。褪色域には樹枝状の拡張した血管を認めたが、病変の中央は拡張血管を認めず、アレア強調像を示していた。NBI併用拡大観察では病変の中央部に大小不同で幅の不均一な弧状の腺窩辺縁上皮を認め、irregular microsurface patternを呈していたが、demarcation lineの同定が困難であった。なお、背景胃粘膜には萎縮を認めず、血清抗H.pylori IgG抗体は陰性であった。内視鏡的に深達度をSM1までと診断し、同年10月にESDを施行して病変を一括切除した。病理組織検査では、粘膜固有層の深部を主体として、異型の乏しい細胞が胃底腺に類似した腺管を形成して増殖しており、一部に粘膜下層への微少浸潤を認めた。最終診断はU、Gre、Type 0-IIa、8×6mm、tub1、SM1 (400μm)、UL(-)、ly(-)、v(-)、HM0、VM0であり、早期の胃底腺型胃癌と考えられた。胃底腺型胃癌は、八尾らが2010年に報告した主細胞への分化を示す胃癌の組織亜型である。高齢者の胃上部に好発し、H.pylori感染のない正常胃底腺粘膜の粘膜深部に発生して、小さいものでも高率に粘膜下層に浸潤する。しかし、低異型度のものでは脈管侵襲が見られず、予後良好であると考えられている。また、内視鏡的・組織学的に類似性があるカルチノイド腫瘍との鑑別を要する。今回我々はESDにて切除し得た早期の胃底腺型胃癌の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胃底腺型胃癌, ESD |