セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-9:

腸重積を来たした上行結腸神経鞘腫の1例

演者 申 玲佳(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科)
共同演者 坂谷 彰彦(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 笹井 保孝(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 西田 直浩(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 阪本 めぐみ(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 上ノ山 直人(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 松田 高明(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 木下 和郎(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科), 北山 聡明(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 放射線科), 有馬 良一(員共済組合連合会 大手前病院 病理診断部), 中場 寛行(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 外科), 土井 喜宣(国家公務員共済組合連合会 大手前病院 消化器内科)
抄録 【症例】50歳代、女性【現病歴】来院2週間前から持続する腹部膨満感と便秘を主訴に当院を受診した。腹部CTで上行結腸に腸重積像を認めたことから加療目的に入院となった。診断と治療目的に緊急で下部消化器内視鏡検査を施行したところ上行結腸に管腔内を塞ぐようして存在する腫瘤性病変を認めた。内視鏡的に整復を試みたが不成功に終わったことから入院2日目に準緊急的に手術を行った。【手術所見】上行結腸に4cm大の腫瘍を認めた。腫瘍の漿膜面に異常を認めず、周囲への浸潤傾向はなく、リンパ節の明らかな腫脹も認めなかった。しかしながら確定診断がついておらず悪性腫瘍も否定し得なかったため回盲部切除術、D2リンパ節郭清を施行した。【組織学的所見】粘膜下層を中心とした結節状病変内には紡錘形細胞が束状・交錯状に増殖する像が見られた。免疫組織染色でc-kit、CD34、α-SMA陰性、NSE、S-100蛋白陽性であった。以上より神経鞘腫と診断した。【経過】術後の経過は良好で退院となり、手術から3ヶ月後の時点で特に再発を含めた異常は認めていない。【考察】消化管を原発とする神経鞘腫は比較的稀な疾患であるが、その中でも大腸原発の症例は非常に稀である。今回われわれは上行結腸に発生した神経鞘腫により腸重積をおこした症例を経験したので報告する。
索引用語 神経鞘腫, 腸重積