セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y7-02:

経口胆道鏡検査が水平進展の診断に有用であった胆嚢管癌の一例

演者 西村 聡(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科)
共同演者 薗 誠(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 原田 威徳(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 橋本 佳愛子(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 渡邉 幸太郎(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 木村 典世(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 廣橋 研太郎(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 牟田 優(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 渡辺 昌樹(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 加藤 洋子(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 工藤 寧(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 山内 淳嗣(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 河野 孝一朗(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 高 忠之(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 淺田 全範(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 福永 豊和(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 川口 清隆(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 八隅 秀二郎(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 内科), 内田 洋一朗(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 外科), 寺嶋 宏明(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 外科), 弓場 吉哲(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 消化器センター 病理診断科)
抄録 【背景】胆嚢管癌は比較的稀な疾患で全胆道癌の2.99%であると報告されている.当院にて経験した胆嚢管癌の1症例について報告する.【症例】70歳代男性,来院数か月前から右季肋部痛を自覚していた. 腹部造影CTにて三管合流部に早期濃染する小結節を認め, 超音波内視鏡検査では三管合流部に胆嚢管を主座とした腫瘤性病変を認め, 胆嚢管癌が疑われた. 胆管造影検査では胆嚢管に基部を持ち, 総胆管内に突出する病変を認め, 胆管造影および胆管内超音波検査では病変は三管合流部に限局していると考えられ水平進展は明らかでなかった. 経口胆道鏡検査では総胆管に結節性病変を認め, 病変の肝臓側・膵臓側ともに発赤した不明な粘膜を認め水平進展が疑われた. 胆嚢管分岐部に主座をおき上部・中部胆管へ進展をきたした胆嚢管癌(胆嚢管,上部・中部胆管,cT1N0H0P0M0 cStageI)と診断し,胆嚢摘出,胆管切除,胆道再建を施行した.最終病期診断は胆嚢管癌 T2N0H0P0M0 fStageIIであり,上部・中部胆管への浸潤を認めた.現在術後半年であるが, 無再発生存中である. 【考察】2006年8月~2012年12月の当院での胆嚢管癌の割合は全胆道癌の1.80%(3/167例)であった.このうち手術もしくは内視鏡的切除術を行った割合は全胆道癌の 43.1%(72/167)であり, 胆嚢管癌については100%(3/3例)の割合で手術が施行された. 結節型の胆道癌においては水平進展を来たす症例が多く、水平進展の範囲診断が重要となる. 今回我々は、胆管造影および胆管内超音波検査では指摘しえなかった水平進展の有無を経口胆道鏡検査によって診断することができた症例を経験した. 若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 胆嚢管癌, 経口胆道鏡