セッション情報 |
パネルディスカッション2 「根治治療不能進行消化器がんに対する治療選択」
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タイトル |
P2-11:切除不能局所進行膵癌に対するS-1併用化学放射線療法の安全性の検討
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演者 |
工藤 寧(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター内科) |
共同演者 |
高 忠之(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター内科), 浅田 全範(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター内科), 八隅 秀二郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター内科), 内田 洋一郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター外科), 飯田 拓(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター外科), 寺嶋 宏明(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター外科), 高木 雄久(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 放射線科) |
抄録 |
【目的】膵癌診療ガイドラインにおいて、局所進行膵癌に対する治療の1つとして化学放射線療法が推奨されており、5-FUを用いた化学放射線療法が標準として行われてきたが、GEMやS-1との併用について有効性を示唆する報告がされている。当科における局所進行膵癌に対するS-1を併用した化学放射線療法の安全性と有効性の検討を行った。【方法】対象は病理組織学的に腺癌と確認できた切除不能局所進行膵癌。S-1は80mg/m2/dayをDay1-5、8-12、15-19に内服。同日に原発巣及び転移リンパ節に対して、1回1.5Gyを1日2回(計45Gy)照射した。治療終了約2週間後に、腹部CT・腫瘍マーカーにより治療効果の判定を行った。【結果】2010年1月から2013年5月まで10症例をエントリーした。9症例がプロトコール治療を完遂したものの、1症例については十二指腸浸潤による腸閉塞のためプロトコール治療を中断し、胃空腸バイパス術を施行した。Grade3以上の有害事象については、白血球減少と好中球減少を1例、放射線性十二指腸炎による食欲不振を1例認めたが保存的に軽快した。プロトコール治療2週間後の効果判定ではPR/SD=1/9、プロトコール治療後の化学療法としてはS-1/GEM/GS=6/1/1に施行、また2症例については放射線療法後に手術を行った。治療後の転帰については、2症例で生存期間がそれぞれ25.4ヵ月と11.8ヵ月で原病死となったが、残りの8症例については存命で、現在も治療継続中である。【結語】現在まで重篤な有害事象は認めていない。今後も慎重に症例を集積する予定である。 |
索引用語 |
膵癌, 化学放射線療法 |