セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y3-06:

空腸・S状結腸同時重複癌の一例

演者 村井 大毅(関西労災病院)
共同演者 柄川 悟志(関西労災病院), 水谷 直揮(関西労災病院), 明神 悠太(関西労災病院), 土居 哲(関西労災病院), 吉水 祥一(関西労災病院), 嶋吉 章紀(関西労災病院), 小豆澤 秀人(関西労災病院), 戸田 万生良(関西労災病院), 中村 剛之(関西労災病院), 糸瀬 一陽(関西労災病院), 望月 圭(関西労災病院), 伊藤 善基(関西労災病院), 萩原 秀紀(関西労災病院), 林 紀夫(関西労災病院)
抄録 症例は50歳代、女性。腹痛と嘔吐を主訴に他院を受診し、腹部単純CTでイレウスと診断された。また空腸の全周性壁肥厚も認めたため、精査加療目的で当院紹介となった。血液検査では、Hb9.9g/dlと貧血を認める以外は特記すべき異常所見は無く、腫瘍マーカーの上昇も認めなかった。先ずイレウスに対して保存的治療を行い、改善を認めた後に、空腸壁肥厚精査のため経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行した。Treitz靭帯から約1m肛門側に全周性のType2病変を認め、生検で高分化型腺癌の病理診断であった。下部消化管内視鏡検査では、S状結腸にSM深部浸潤を伴うと考えられる径約3cm、不整形の0-Isp型隆起性病変を認めた。空腸癌とS状結腸癌の同時性重複癌と診断し、一期的に腹腔鏡補助下小腸部分切除、S状結腸切除術が施行された。最終病理診断は、空腸癌は高分化型腺癌、pT4N0Mx pStageII、S状結腸癌は高分化型腺癌、pT2N1Mx pStageIIIaであった。S状結腸癌はpStageIIIaであったため、術後補助化学療法としてXELOX療法を他院で施行中である。原発性小腸癌は稀な疾患であるが、15~20%の頻度で重複癌が存在するとの報告がある。今回、我々はTreitz靭帯から約1m肛門側に発生した空腸癌とS状結腸癌の同時重複癌の一例を経験した。原発性小腸癌を含む重複癌の本邦における報告は少なく、貴重な症例と考え、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 原発性小腸癌, 同時重複癌