セッション情報 |
Young Investigator Session(卒後3-5年迄)
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タイトル |
Y3-07:腸重積にて発症した小腸原発悪性黒色腫の1例
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演者 |
丸尾 正幸(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院) |
共同演者 |
三上 栄(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 孫 永基(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 板井 良輔(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 小野 洋嗣(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 池田 英司(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 高田 真理子(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 住友 靖彦(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院), 山下 幸政(地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 西市民病院) |
抄録 |
要旨:症例は75歳男性.嘔吐と腹部膨満感を主訴に近医を受診した.腹部X線検査で小腸にニボー像を認め,精査加療目的に当科紹介となった.造影CTで小腸の拡張と,小腸に4か所の造影効果を伴う腫瘤影を認めた.拡張した腸管の先端部で腫瘤が腸管内に入り込んでおり,小腸腫瘍による腸重積が考えられた.入院同日にイレウスチューブを挿入し,絶食・補液による保存的加療を開始した.入院翌日には腹部症状は改善したため、イレウスチューブからガストログラフィンで造影検査を施行した.イレウスチューブ先端部で蟹爪様陰影を呈しており,その奥にわずかに腫瘤影が描出された.保存的加療を行ったが,腸閉塞の改善を認めず,第3病日に外科手術を施行した.その際病変部確認のため術中内視鏡を施行した.口側より2つ目までの病変を観察し得た.口側の病変は辺縁隆起を伴う深い潰瘍性病変であり,潰瘍底はやや黒色調を呈していた.もう1つの病変は隆起性病変であり,周囲粘膜と同色調であったが辺縁にわずかに灰色を呈していた.2つの病変は全く異なる内視鏡像を呈していた.腹腔鏡下に計4個の腫瘍を同定し,全ての腫瘍を含めた小腸部分切除術を施行した.病理組織検査で4つの腫瘍は何れも異型細胞の増殖を認め,メラニン顆粒と思われる黒色顆粒を持った腫瘍細胞が散見された.免疫染色にてHMB45(+),S-100(+),Keratin(-),LCA(-)であり,悪性黒色腫の診断であった.全身検索を行ったが,他に原発巣となる病変は認めず,小腸原発悪性黒色腫と診断した.術後経過は良好であり,第17病日に退院となり,現在外来通院中である.悪性黒色腫の原発巣は50~80%が皮膚であり,消化管の発生頻度は少ない.食道原発,直腸・直腸肛門移行部原発の報告例が大半で,小腸原発の悪性黒色腫は非常に稀である.本例は内視鏡所見が印象的な,稀な小腸原発悪性黒色腫の1例であり報告する. |
索引用語 |
小腸原発悪性黒色腫, 腸重積 |