セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y8-6:

当院における膵石症に対する治療成績

演者 橋本 佳愛子(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科)
共同演者 薗 誠(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 原田 威徳(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 西村 聡(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 渡邉 幸太郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 木村 典世(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 廣橋 研志郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 牟田 優(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 渡辺 昌樹(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 工藤 寧(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 村上 弥生(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 加藤 洋子(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 山内 淳嗣(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 河野 孝一朗(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 高 忠之(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 淺田 全範(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 福永 豊和(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 川口 清隆(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 八隅 秀二郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 消化器センター 内科)
抄録 【目的】膵石症に対する治療としてESWL+内視鏡治療の有用性が報告されている。当院での膵石症の治療成績について検討し、問題点を明らかにする。【対象】2008年3月から2013年4月に当院でESWLの適応と判断した膵石症22例(男性17例、女性5例)を対象とした。治療適応は有症状でかつ画像評価にて主膵管内に結石が存在する症例である。治療は1.膵管口切開を行った上で可能な限り膵管ステントを留置、2.ESWLを施行、3.内視鏡的にバルーン截石、4.膵管狭窄例には膵管ステンティングを併用した。【成績】年齢は42歳から81歳(平均62.1歳)で、原因はアルコール性16例、非アルコール性6例であった。膵石の最大径は平均7.5 mmで、膵石の数は単発7例、複数15例であった。症状の内訳は1.疼痛あり(8例)、2.膵炎の急性増悪(9例)、3.胆管閉塞 (3例)、4.糖尿病の急性増悪 (5例)であった。膵石が分枝膵管もしくは副膵管内に存在した症例は2例あり、うち1例ではESWLを施行しなかった。ESWLは21例で施行され、平均4回(1~7回)施行し、結石破砕効果は20例(95.2%)でみられ、主膵管内の膵石が完全消失したものは15例(71.4%)であった。治療開始前に疼痛のあった8例のうち7例(87.5%)で疼痛が軽減した。膵炎の急性増悪、胆管閉塞症例では観察期間中に膵炎、胆管閉塞の再発を認めなかった。糖尿病の急性増悪に対し治療した5例では有意なHbA1cの改善は認めなかった。観察期間内に再発は2例(9.5%)で認め、再度治療を要した。短期合併症としてはESWL後の血尿を1例(4.8%)、内視鏡治療後の膵炎を3例、胆管炎を2例に認めたが、いずれも軽症であった。長期合併症としては拡張した尾側膵管内の結石による膵管閉塞で仮性嚢胞を生じた1例および重症の膵膿瘍を生じた1例を経験した。【結語】膵石症治療におけるESWLの膵石破砕効果は疼痛改善目的に行った症例においては良好であったが、内分泌機能の改善には乏しく、分枝膵管もしくは副膵管内に存在する結石においては効果不十分で、今後適応症例の検討が必要と考えられた。また治療後に重篤な合併症を認めた症例もあり、合併症に対する対応を熟知しておくことが重要と考えられた。
索引用語 膵石症, ESWL